板橋区のまちのペンキ屋さんのブログ
2026年3月7日
玄関ドアを見ながら、少し考える。
傷が一か所に集まっている。
小さな丸い打痕が、ほとんど同じ場所に重なっている。
これは偶然なのか、それとも理由があるのか。
もし何かをぶつけた傷なら、
場所も角度もばらばらになる。
一点に集まることはまずない。
つまりこれは、同じ場所に何度も何かが当たった跡だ。
鉄の玄関ドア。
ということは、おそらく
マグネットのフック。
鍵束をそこに吊るしていたのだろう。
帰宅する。
鍵をフックに掛ける。
そのとき鍵束が揺れて、ドアに当たる。
一回では傷にならない。
十回でも残らない。
でもそれが、毎日続く。
そうして何百回と同じ場所に当たると、
広いドアの中でその一点だけが削れていく。
下に目をやると、ポストの上部が点々と剥げている。
なるほど。鍵を落としたんだな。
そんなことを考えながらパテ補修をする。
人は、物を雑に扱って傷をつけるわけではない。
むしろ丁寧に暮らしていても、傷はできる。
同じ生活を続けているから、同じ傷が出来る。
傷というのは、
失敗の跡ではなく、ルーティンの跡なのかもしれない。
玄関ドアの小さな傷は、
この家で繰り返された「帰宅」の数だ。
そんなことを考えながら今日もペンキを塗っている。
店長:石毛啓二朗
【下地作りが綺麗の秘訣】美しさだけでなく、耐久性も自信有り☆小さな塗装店ならではの細やかな配慮をお届けします。
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