堺市南区のあすとろのブログ
2018年5月24日
ご質問有難うございます!
いろいろな方法があるかと思いますが、
私は「液性を使う」ことが大事だと考えています。
どういうことかというと、これって化学のお話なんです。
◆汚れ落としの化学◆
汚れには、pH(ペーハー)で表される酸性、アルカリ性といった性質があります。
汚れを落とそうと思ったらこの液性を中和の方向に導くことが必要です。
例えば、
油汚れ、皮脂のような酸性の汚れ → アルカリ性洗剤
水垢、尿石のようなアルカリ性の汚れ → 酸性洗剤
因みに中性洗剤は、酸性でもなく、アルカリ性でもありません。
中性洗剤は酸、アルカリに比べて洗浄力は弱いですが、人体への害も少ない。だからこそ体内に入る可能性の高い食器類の洗浄に使われています。液性としての洗浄力が弱い分、界面活性剤を入れることで油汚れを落とせる力を補っているということなのです。
◆奥深い中和の話◆
先程の話をまとめると、
汚れを落とすには汚れの液性を把握して中和させれば良いということでした。
よし、水垢には酸性、皮脂汚れにはアルカリ性の洗剤をかければいいんやね。
いえ、ちょっと待って下さい。それだけでは汚れの化学を理解したことにはなりません。
例えばこんな話があります。
錆びた金属ネジがあるから試しに酸性溶剤を使ってサビを落とした。
綺麗になって気分はスッキリしたので、そのネジを元あった場所に戻した。
しかし1週間後もう一度見てみると、なんとサビが前よりも酷くなっていた。
なぜこんなことが起こるのでしょう?
サビは、酸性溶剤でとることができます。これは正解です。
ですが、酸性溶剤につけたらネジは何性になるでしょう。
そうです。酸性の状態になります。
酸性のものは錆びやすい性質をもつので、そのまま放っておくと当然錆びてしまうということです。
実は、墓石もこの点には注意が必要です。
頑固な汚れや黒ずみがあるからといって、強い酸性をもつ溶剤のみを使って、はい終わりとしてしまうと
あとでサビが大量に出て悲惨なことになります。
それを防ぐために、最初は墓石全体をアルカリ性溶剤で中和します。
中和処理して初めて、気になる汚れを酸性溶剤で安全に攻めることができるのです。
そもそも酸性は液性として強いので、不用意にふりかけると石材を傷つけてしまいます。
石材のツヤがとれたり、石が溶けたり、いろいろな問題が出ます。
この辺りの液性の扱いを十分に知らずにやったことで、大失敗した業者もいるくらいです。
きちんとした業者は、液性を理解した上で、必ずパッチテストのようなことをして反応を確認してから汚れにアプローチしています。
少し難しい話でしたが、お答えになっていますでしょうか。
以上、お墓を大切にするあなたの日頃のお手入れにお役立て頂ければ幸いです。
最後までお読み頂き有難うございました。
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店長:尾下 裕紀
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