草加市のラ・クレアシオンのブログ
2025年7月15日
埼玉県宮代町。東武伊勢崎線・和戸駅の近くに、今月末から、金曜だけ現れるキッチンカーがある。
そこで供されるのは「おつまみケバブ」。その一皿を、私は静かに撮影した。
鉄板の上で焼かれる肉から、やわらかな香りが立ちのぼる。
スパイスの主張は控えめで、どこか懐かしいような、輪郭のやさしい匂い。中央アジアのような力強さではなく、日本の空気に溶け込むような、落ち着いた味わいがそこにある。
添えられるのは、しんなりと火の入ったキャベツだけ。
余計な飾りを排し、必要なものだけで組み立てられたその姿に、料理への誠実さがにじむ。華やかさではなく、静かな滋味が心に残る。
店主は長くケバブの味を追い求め、そしてついにこのかたちに辿り着いたのだという。
食べやすさではなく、沁みこむ味を。派手さではなく、静かな余韻を。
そういう料理が、ある。
撮影では、肉の表情、焦げのニュアンス、キャベツのやわらかな色合いに目を凝らした。湯気の立つその瞬間、レンズ越しに見えたのは、作り手のまなざしのようなやさしさだった。
金曜の和戸に、やさしい風が吹く。
その風に乗って、このケバブの香りが、きっと町に届くことだろう。
店長:平野慎一
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