草加市のラ・クレアシオンのブログ
2025年7月2日
浦和駅をほど近く、ひっそりと佇むイタリアン「carnegico」。その厨房から立ちのぼる香りには、ひときわ濃密な余韻がある。今回、私はこの店でメニュー撮影を行った。カメラを構えたのは、肉をたっぷりと抱いたパスタ。イタリア本国の名店をいくつも巡ってきた私でさえ、「これは別格だ」と感じる深みがそこにあった。
肉と麺。それぞれが主張しながら、互いを高め合う稀有な関係。粗くも繊細に仕上げられた肉は、単なる具材ではない。まるでひとつの主旋律のように、皿の中心で堂々と歌い上げている。その肉の旨味を受け止めるパスタは、ほどよい歯応えとともに、肉の滋味を逃すことなく纏ってゆく。ソースは控えめながらも、全体を包み込むように柔らかく寄り添い、皿の上に静かな調和を生む。
見た目の力強さに反して、味は軽やか。重厚でいて、冗長さは一切ない。肉を知り尽くしたシェフの美意識が、この一皿に凝縮されている。
撮影者として、私は光を読む。しかし、このパスタは、それ以上に“美味の気配”を放っていた。美食とは、五感を超え、感性を揺さぶるものであると、あらためて思い知らされた。
浦和「carnegico」。その名を冠するにふさわしい、肉の詩情をぜひ味わっていただきたい。
店長:平野慎一
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