草加市のラ・クレアシオンのブログ
2025年12月2日
新宿ワシントンホテルの中に、ふっと息を落ち着かせてくれるような空気を纏う「宝の蔵 新宿ワシントンホテル店」。そこで今回、コース料理一式の撮影をさせていただいた。店内の柔らかな灯が皿の曲線をそっと撫で、料理そのものが静かに姿を開いていく。余計な装飾を避け、ありのままの佇まいをそのまま受け止めるような撮影となった。
口火を切るのは「宝の蔵サラダ」。みずみずしさが光にほどけ、始まりの清々しさを描き出す。続く「手羽唐」は、香ばしさの気配を控えめに纏いながら、皿の上で凛とした存在感を形づくる。
「よだれ鶏」は、しっとりとした質感がゆるやかに広がり、光の陰影を纏うたびに静かな深みを見せる。そこへ「焼鳥6種盛り」。串の一本一本が端正に並び、過度な演出を排したからこそ感じられる確かな手仕事の美しさが、静かに画へと滲んでいく。
コースの中心に据えられた「名古屋コーチン入り水炊き」は、具材の配置が整然としていながらも硬さを見せず、清らかな印象で皿の世界を形づくる。料理の輪郭そのものが、穏やかで気品のある表情を浮かべていた。
「〆雑炊セット」は、静かな余白をたたえながらコースの流れをやわらかく結び、「漬物盛り合わせ」が色彩の小さなアクセントとなる。最後のデザートは、余韻を軽やかに整え、締め括りにふさわしい静かな甘みを添えてくれる。
一皿ごとに語りすぎず、しかし確かな存在感を残してゆく──宝の蔵の料理は、そんな落ち着いた力を宿している。今回の撮影は、その静かに流れる旨さの調べを、そっとすくい上げるような時間となった。
店長:平野慎一
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