草加市のラ・クレアシオンのブログ
2025年4月2日
新潟の大地に抱かれた静謐なひととき。撮影のために訪れた「魚沼ユキアカリ」の店内は、どこか落ち着きのある佇まいを見せていた。ここで私がレンズを向けたのは、 「生姜マミレのさっぱり豚肩ロース」。
目の前の鉄網の上に、しっとりと漬け込まれた肉をそっと置く。その瞬間、じゅわりと滴る脂が炎と共鳴し、琥珀色の輝きを放つ。生姜の爽やかな香りが湯気とともに立ち上り、空気を穏やかに満たしてゆく。その様を切り取るべく、私はシャッターを静かに切った。
撮影において最も心を砕いたのは、 「肉が生きている時間」 を捉えること。滴る脂が網目を伝う一瞬、絶妙な焼き加減が生み出す艶やかな光沢、焦げるタレの香ばしさ。どの角度が最も美しいか、どの瞬間に情熱が宿るのか——その問いに答えを出すべく、幾度となくレンズを覗き込んだ。
焼き上がった豚肩ロースは、見た目の端正さとは裏腹に、意外なほど力強い味わいを持っていた。生姜の清涼感と肉の甘みが、互いを引き立てるように交錯し、後味にふわりとした余韻を残す。まるで、魚沼の風そのものを味わっているかのような、優美な調和。
美しさを追い求める撮影の旅路で出会った、この一皿。「魚沼ユキアカリ」の焼肉は、ただ食すだけでなく、 炎と煙、香りと輝きの舞う、ひとつの芸術 だった。
店長:平野慎一
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