草加市のラ・クレアシオンのブログ
2025年4月21日
新潟グランドホテルの地下に佇む「慶楽」は、クラシカルでありながら、味に妥協のない本格中国料理を供する名店。その厨房から生まれた一皿が、デリカとして持ち帰れる──そんな贅沢が、今ここにある。
今回撮影を任されたのは、「大海老と季節野菜のジンジャーソース炒め」。その名を聞いただけで、炒め油の香ばしい音と、生姜の香りが鼻腔をくすぐってくる。
まず目を奪うのは、主役の大海老。火入れは短く、しかし確実に芯まで熱を届け、身はぷりぷりと膨らんでいる。表面にはほどよくとろみのあるソースが絡み、光を帯びてつややかだ。ひと口噛めば、海老の甘みと、奥行きあるジンジャーの風味が広がる。中華のパンチとホテル中華の気品、その中間をゆく絶妙な塩梅だ。
そして、その周囲を彩るのは春の野菜たち。ヤングコーンのシャキッとした歯ざわり。アスパラのほろ苦さと甘み。タケノコの繊細な風味に、ミニトマトの爽やかな酸味がアクセントとして効いている。一見、素朴な野菜たちが、ソースを受け止め、海老の旨味を引き立てる。炒めただけなのに、どこか炊き上げたような“温度”がある。
撮影中も、湯気とともに立ちのぼる香りに、何度となく箸を伸ばしそうになるのをこらえた。惣菜として売られるものにしては、あまりにも丁寧な仕立て。盛り付けにも気が抜かれておらず、料理そのものが語りかけてくるようだった。
“ごちそう中華”を持ち帰る。そんなささやかな贅沢が、新潟グランドホテルの「慶楽」にはある。今夜の食卓に、ひとつ特別な皿を。
店長:平野慎一
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