草加市のラ・クレアシオンのブログ
2025年7月13日
六本木の静かな一隅、月灯花にてメニュー撮影を行った。今回レンズを向けたのは、ウニとカニ、そしてたっぷりと盛られたイクラの土鍋ご飯。蓋をそっと開ければ、立ちのぼる湯気とともに、贅を尽くした海の香りがふわりと漂う。
特に印象的だったのは、ひと匙すくったイクラの姿。淡い光を受けて宝珠のように輝き、今にも音を立てて弾けそうな張りと艶。スプーンの上にそっとのせると、まるで宵の空に浮かぶ朱の星のようで、思わずシャッターを押す手も慎重になる。
土鍋の底には、ふっくらと炊き上がった白米が、ウニの甘やかさとカニの深い旨味を抱き込み、そこにイクラの塩気が余韻として重なる。火と時間が育んだ味わいの重奏。その美しさを、どうすれば一枚に封じ込められるか——そんな想いでファインダーを覗いた。
料理は瞬間の芸術だ。湯気が揺らめくうちに、照りが消えぬうちに、その香気が宙に漂ううちに、記録せねばならない。今回は、特にイクラに焦点をあて、光と質感を追いかけながら、土鍋のぬくもりを一枚に閉じ込めた。
月灯花の一碗には、夜の帳にふさわしい静けさと華やぎがある。カメラを通じて、その雅やかな一瞬を記録できたことが、何よりの悦びだった。
店長:平野慎一
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