草加市のラ・クレアシオンのブログ
2025年5月29日
ふくよかな米に、海の恵みがそっと寄り添う。新潟グランドホテルのデリカデッセンで出会った「海鮮ジンジャーチャーハン」は、単なる炒飯の域を超え、一皿の詩のような完成度を見せていた。
エビ、ホタテ、カニ——三種の海鮮が奏でるのは、食感と香り、そして甘みの緻密なアンサンブル。それぞれが主張しながらも調和し、口に含むたびに味覚の波がやわらかく打ち寄せる。
中でも心に残ったのは、生姜の巧みな使い方である。前に出すぎることなく、だが確かに全体を包み込むような存在感。香りを移した油が、ふくよかなご飯と海鮮の旨みをそっと引き立て、生姜はそのすべてを陰で支える名舞台監督のような役割を果たしていた。
撮影に際しては、その温度感と香り立ちを映し出すことにこだわった。質感重視のライティングで臨み、海鮮の艶、炒め油の琥珀色を光と影で丁寧にすくい取るよう心掛けた。そこに写っていたのは、料理というよりも“作品”であった。
テイクアウトとは思えぬ手間と品格。そこには、ホテルメイドならではの技術と、美味を届けようとする静かな矜持が息づいている。
新潟駅を訪れた際には、ぜひその一皿を手にしてみてほしい。冷めてもなお、心に残る余韻をまとったチャーハンである。
店長:平野慎一
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