草加市のラ・クレアシオンのブログ
2025年10月25日
六本木ヒルズのほど近く、ラトリエ・デュ・パンの厨房でポスターの撮影をした。求められたのは「パン職人の空気が伝わる一枚」。そこで画面の手前に堂々とパン・ド・ロデヴを置き、奥に職人が粉を散らしながら作業を進める様子をふんわり背景に置いた。白い粉が光に浮かび、静かな熱気と手の集中が伝わってくる。
この店は自家製の天然酵母を使う。どのパンも酸味と甘みの折り合いがやさしく、噛むほどにうまみが伸びていく。角が立たない味のまとまり方に、日々の仕事の丁寧さがにじむ。
撮影の間も厨房の流れは止まらない。粉が舞い、時間がきちんと刻まれ、焼成の熱が肌の近くにいることを知らせる。パン屋はガラス越しのかわいい風景ではなく、淡々と積み重ねる手仕事の現場だ。その「日常」の真ん中にロデヴを据え、レンズを向けた。
六本木に出かけることがあれば、ふらりと立ち寄るといい。その日の棚にあるのは、ここで積み上げられた朝の仕事そのものだ。
店長:平野慎一
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