草加市のラ・クレアシオンのブログ
2025年6月16日
横浜・山下町の静かな通りに佇むイタリアン、『アクイラウォランス』。そこでカメラを向けたのは、ブラックアンガスのステーキだ。
力強くも繊細な肉の魅力を、いかに映し出すか。撮影前から胸が高鳴った。
その肉は、厚みを持ちながらも柔らかく、均一な火入れが施されている。皮膜のように張った焼き目は香ばしく、ひと切れ口に運べば、じんわりと旨みが広がる。脂はしつこくなく、むしろ肉の味わいを引き立てている。
撮影にはストロボ光を用い、焼き目の陰影を際立たせつつ、肉のしっとりとした質感も逃さぬよう丁寧にライティングを調整。静寂のなかで、光が肉の細部を照らし出す瞬間を逃すまいと集中した。
『アクイラウォランス』の料理は決して飾らず、素材と向き合う姿勢が貫かれている。
このステーキもまた、過剰な味付けを排し、火と塩だけで肉の本質を引き出しているのがわかる。皿の上に広がるのは、まさに「肉の声」だ。
食べること、撮ること。それは同じ行為の異なる側面であるかもしれない。
この一皿に向き合った時間が、静かな余韻を胸に残す。
店長:平野慎一
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