草加市のラ・クレアシオンのブログ
2025年6月3日
透き通るような静寂の中、赤塚の一角に佇む「焼肉うし山」。そこで私は、網の上で繰り広げられる一幕の舞台をカメラに収めた。
朱に染まる肉片が炭火の揺らめきに包まれ、まるで炎と踊るかのようにゆらめく。艶やかな脂がとろりと溶け出し、時折ぱちぱちと弾ける音は、まるで甘美な旋律のように耳に響く。炭の香りがふわりと鼻腔をくすぐり、食欲をじわりと掻き立てる。
その肉はただの食材ではなく、一つの芸術品だ。炭火が織りなす微妙な温度差と香ばしさが、肉の持つ奥深い旨味を引き立てる。焼き網の上でじっと火と対話しながら、静かに時間を刻むその姿は、まるで炎の詩人が紡ぐ物語のようだ。
特に印象的だったのは、脂と赤身の美しいグラデーションを見せる肩ロース。火の手がその表面を優しく包み込み、柔らかな煙が静かに立ち上る。その瞬間、私は肉の命の息吹を感じずにはいられなかった。
赤塚「うし山」で過ごした時間は、ただ焼くという行為を超えた、五感すべてで味わう儀式だった。火と肉の共鳴が織り成す優雅な舞踏、その一瞬一瞬を、私は永遠に記憶に刻んだ。
店長:平野慎一
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