草加市のラ・クレアシオンのブログ
2025年4月26日
恵比寿駅の東口から、少し歩いた先。都会の喧騒をふっと忘れるような場所に、「うなぎ登川」はあります。初代が新橋で創業したのは、およそ80年前。戦後の時代をくぐり抜け、40年前にこの地に暖簾を移してからも、変わらぬ味を守り続けているそうです。
この日は、鰻重の撮影をさせていただきました。撮影の前に、炭火のそばで焼かれていく鰻の様子をじっと見つめていると、香ばしい匂いとともに、なんとも言えない安心感のようなものが胸に広がっていきました。備長炭の遠火でじっくり焼かれた蒲焼は、やわらかな蒸しの工程を経て、まるで絹のような舌ざわりに仕上がります。
重箱の蓋を開けた瞬間、照りの美しさと立ちのぼる湯気。その一瞬を逃さぬよう、慎重にカメラを構えました。光の加減を少しずつ変えながら、鰻とご飯が一体となった“おいしさの風景”を写し取ることに集中します。画面越しに見えてくるのは、職人の技と心意気、そして時間の積み重ねでした。
派手な演出はありません。ただ、まっすぐに、静かに、真摯に。
登川の鰻重には、そんな店の姿勢がそのまま映っているように思います。
撮影者としても、一人の食いしん坊としても、心に残る一日になりました。
店長:平野慎一
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