草加市のラ・クレアシオンのブログ
2025年1月13日
プロフェッショナルな料理写真には、料理の魅力を最大限に引き出すための細かな技術と計算が必要です。今回は、広尾の「RUSTEACS」で撮影したビーフシチューの写真を通じて、その撮影過程とこだわりをご紹介したいと思います。ECサイトやSNSでの使用を前提にした撮影では、ただ美味しそうに見せるだけではなく、商品の「価値」や「魅力」をきちんと伝えることが求められます。
1. ストロボ光で生まれる立体感
今回の撮影では、自然光は一切使わず、すべてストロボ光を駆使して行いました。料理写真の魅力を引き出すためには、光の当たり方が非常に重要です。特にビーフシチューのような煮込み料理は、光を当てる角度によってその印象が大きく変わります。
ストロボ光を使うことで、料理のディテールや質感をくっきりと際立たせることができました。肉の断面やソースの艶感、そして野菜の色合いが、ストロボによって際立ち、深みのある一枚に仕上がっています。光の方向や強さを微調整しながら、料理が持つ魅力を引き出す作業は、まさに職人技と言えるでしょう。
2. 「美味しさ」を視覚的に表現するために
料理の美味しさを伝えるためには、ただ美しい写真を撮るだけでは不十分です。ECサイトでの販売に使用される場合、顧客が画面越しでも商品のクオリティをしっかり感じ取れるような写真を撮る必要があります。そのため、今回は特に「質感」にフォーカスしました。
ストロボ光の強弱を調整し、ソースがなめらかに輝く瞬間や、肉の柔らかさを感じさせる断面をクローズアップで撮影。シチューの中で煮込まれたお肉や野菜がまるで立体的に浮かび上がるような表現を目指しました。細かなディテールが伝わることで、食欲をそそり、商品の価値がしっかりと感じられる一枚になったと思います。
3. シンプルな背景で料理の美しさを引き立てる
背景選びも非常に大事な要素です。SNSやECサイトで使用される写真では、背景が派手すぎると料理が埋もれてしまい、逆に目立たなくなってしまいます。今回、ビーフシチューの美しさを引き立てるために、シンプルで落ち着いた背景を選びました。料理そのものが主役となるよう、あえて背景には余計な装飾を避け、色味もシンプルに統一しました。
さらに、ストロボの光を背景に反射させないように気をつけ、ビーフシチューにしっかり焦点を当てました。これにより、料理が一層際立ち、見る人に強い印象を与えることができます。
4. 構図と角度で引き立つ「立体感」
ビーフシチューのような煮込み料理は、どの角度から撮影するかで見え方が大きく異なります。今回は、料理の立体感を強調するために、少し斜め上から撮影しました。この角度を取ることで、ソースの厚みや具材の層が自然に見え、ビーフシチューがただの料理ではなく、特別な一品に見えるよう工夫しました。
また、少し横からの角度で、全体の盛り付けとその美しさを見せるショットも撮影。ビーフシチューの深みや、盛り付けのバランスがよく伝わる角度を意識しました。
5. SNSとECサイトでの使い分け
SNS用の写真とECサイト用の写真では、目的や使われ方が異なるため、撮影にも工夫が必要です。SNS用は視覚的にインパクトがあり、少しドラマティックに仕上げることが求められます。そのため、光や構図を大胆に調整し、フォロワーの目を引くようなビジュアルを作り上げました。
一方、ECサイト用の写真では、商品の正確なイメージを伝えることが最も重要です。そのため、ビーフシチューのディテールや質感を正確に捉えるよう、より細やかな調整を加えました。商品としての価値をしっかりと伝えるために、背景や照明の配置に気を配り、何度も撮影を繰り返しました。
6. まとめ
「RUSTEACS」のビーフシチューの撮影は、ストロボ光を駆使してその魅力を最大限に引き出すことができました。撮影の際には、料理そのものの美しさをどう表現するかを常に意識し、光や構図を工夫しました。SNSとECサイトでは、同じ料理でも求められる視覚的な要素が異なるため、それぞれに最適な方法で撮影を進めることが大切です。今後も、より多くの人々に料理の魅力を伝えられるよう、撮影技術を磨き続けていきたいと思います。
店長:平野慎一
料理撮影なら日本フードフォトグラファー協会正会員で間違いなし!
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