草加市のラ・クレアシオンのブログ
2025年7月1日
稲毛駅前、ふと歩みを緩めたくなる穏やかな灯り。その奥に佇むのが「バル☆和☆948miyabi 稲毛駅前店」である。和と洋が静かに溶け合い、日常の延長にさりげなく非日常を添えるこの空間で、メニュー撮影の機会をいただいた。
レンズ越しに捉えたのは、前菜の盛り合わせ。カプレーゼ、ハム、ポテトサラダ──いずれも気負いのない馴染み深い料理だが、その一品一品には、確かな美意識が息づいている。
カプレーゼは、トマトの瑞々しさとモッツァレラのやわらかな甘みが寄り添い、香草のアクセントが余韻を引く。何気ない一皿に、食材の機嫌を見極める手の確かさが感じられる。ハムは、しっとりとした質感の中に凝縮された旨みが漂い、舌にふわりと残る塩気が心地よい。そして、ポテトサラダにはどこか懐かしくも品のある手仕事が光り、思わずもう一口を誘う。
これらの前菜は、決して華美ではない。だが、節度をもって整えられたその佇まいは、まるで静かに語りかける序章のよう。グラスを傾ける前のひとときに、優美なリズムを奏でる。
「和」と「バル」、二つの文化が雅(miyabi)という名のもとに結ばれ、料理となって立ち現れる場所。駅前という便利さに甘んじることなく、真摯に料理と向き合う姿勢が、皿の上ににじんでいる。
撮影を通して垣間見たのは、日常の延長線上にそっと咲く、ほんの少しの贅沢。その味わいの続きを、次は客として確かめに訪れたい。
店長:平野慎一
料理撮影なら日本フードフォトグラファー協会正会員で間違いなし!
<関東>
埼玉県
千葉県
東京都