草加市のラ・クレアシオンのブログ
2025年12月8日
新中野の HOBO TACOS で、「はじめてのメスカルの教科書」(誠文堂新光社)の料理撮影を行った。ページをめくった先に、ふっと優しい空気が広がるような一枚にしたい──その思いを胸に、エビとアボカドのアドボタコスと向き合った。
アボカドソースとニンニクでマリネされたエビは、しっとりとした艶をまとい、そばにいるだけで柔らかな気配を放つ。そこに紫キャベツがふわりと重なり、色の調和がゆるやかに広がっていく。さらにアボカドが加わると、タコス全体がひとつに包まれるような穏やかな景色が生まれた。
燻製ハラペーニョ入りのマヨネーズソースは、輪郭をやさしく整えるように寄り添う。強さではなく、ほんのりとした余韻。照明を合わせながら、その淡い光の揺らぎをどこまで素直に写せるかを探った。
タコスは手のひらの料理だからこそ、温度や息づかいが写真の中に残りやすい。皿が置かれた瞬間、空気がすっと整う。その一瞬を大切に、静かにシャッターを切った。
HOBO TACOSの空気感と、この一皿が持つ優しい佇まい。そのどちらもそっと伝わるような写真になっていればと思う。
店長:平野慎一
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