草加市のラ・クレアシオンのブログ
2025年9月7日
練馬駅からほど近い、蕎麦割烹 匙かげん。控えめな暖簾をくぐれば、喧騒から一歩離れた静かな空気が流れています。先日、こちらで夏の限定メニュー「翡翠そば」の撮影を任されました。
透明感のあるガラス鉢に盛り付けられたその姿は、まさに涼を呼ぶ一皿。枝豆の瑞々しい緑、オクラの星形が愛らしく、そこに大根おろしが清らかな白を添えています。山葵は本わさびを丁寧におろしたもの。おろしたて特有のやわらかな香りが鼻先に届き、食欲をそっと誘います。
蕎麦はしなやかでありながら芯を残す歯ごたえ。つるりとした喉ごしの中に、翡翠色が際立ちます。ひと口すすれば、冷水で締められた蕎麦の爽やかな弾力と、枝豆やオクラの青々とした香味が重なり合い、夏の午後に吹く風のような清涼感が広がります。
ガラス鉢という選択もまた絶妙です。光を透かし、緑が一層映える。料理そのものが器を舞台に、主役として輝いているように見えます。写真を撮る立場としては、この透明感と色の対比をどう切り取るかに神経を注ぎました。ストロボの光をやわらかくあて、蕎麦の艶やかさと夏野菜の生命力を引き出すことに力を尽くしました。
匙かげんの翡翠そばは、単なる夏の冷たい一品ではなく、視覚から五感を刺激する「食の涼」。写真に収めながらも、その一杯の奥にある職人の匙加減を、しみじみと感じる時間となりました。
店長:平野慎一
料理撮影なら日本フードフォトグラファー協会正会員で間違いなし!
<関東>
埼玉県
千葉県
東京都