鯖江市の株式会社ふくい整理収納サービスのブログ
2021年12月23日
お客さんが、喜ぶ顔が見たい。それは働く誰しもが思うことだが、実際にはなかなかそうはいかない。
掃除屋は成り行きで独立し、一人親方をしていた私は、心から望んでいた訳ではないが、何となく辞めていないのだから向いていたんだと思う。
ところが昨今は、巣篭もり需要のためお掃除に対する人々の注目が凄まじく、知識が一般人でも行き交う時代になったため、「悪質クレーマー」の割合が著しく増えた。
フランチャイズに加盟した個人の人たちはどんどん辞めていく。
その大手から私も仕事をもらっていたため、どんなお客様か分からない家にいきなり飛び込む。
最初はいい人でも、掃除や家のことになると本性が出てくる人もいて、人間不信になることだってあった。
掃除はビフォアーアフターがわかりにくい。そして一般人の知識と、我々職人の認識には大きな差がある。
素材や劣化によって、中古は決して新品にはならないし、その予算ではどうにもならないことだって多々ある。
値切るが安くしろは、もう通用しない。なぜなら掃除屋はどんどん減っているからだ。なのでどうにか自分達の価値を下げずにやっていくかを常に考えていた。
テレビショッピングで「わあ!」と歓声が上がる洗剤の番組は、本当の汚れではなく、たいていが先ほどつけた新しい汚れである。
よほど汚くない限り、そのぐらいオーバーにしないと、わかりにくいのが掃除の世界だ。
──片付けを始めたのは、お得意様の社長さんが、年末のゴミに埋もれてあまりにも動かずに立ち尽くしていたことがきっかけだ。
掃除に入ったはいいが、掃除ができない状況だった。
「助けてくれやあ〜」と、ヘナヘナ声で求めてこられた私は、次のお客さんの時間に間に合うなら、と片付けを引き受けた。
その結果、いつもよりも喜んでもらえたことに加え、自分が掃除で培ってきた作業手順やノウハウで、サクサク作業が進むことに驚いた。
片付けって、わかりやすく綺麗になる。これだ!!
建設関係の家に育ち、小さい頃から家のことが好きだった私は、そういえばインテリアに関わる仕事がしたかったことを思い出した。
次の日、早速スマホで整理収納の資格を申し込んだ。
努力がなかなか評価してもらえないハウスクリーニングの世界から、片付けにシフトした瞬間だった。
店長:宇野恭子
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