草加市の拓翔工業のブログ
2024年12月10日
こんにちは、店長の木村です。
今年も残すところ3週間となりました。まだまだ給湯器交換工事の受付をしておりますので、お気軽にお問い合わせください。
さて、当店には標準工事外のお問い合わせや依頼を多くいただいております。
その1例として集合住宅における排気施工不備事例を書いてみたいと思います。
【特定ガス消費機器設置工事監督者】
給湯器の排気筒工事には「特監法」と略されて呼ばれる資格があります。
主に屋内設置型給湯器の排気筒工事に必要な資格となります。
屋内式湯沸かし器は10000kcl(12kw)を超えない給湯器は、台所に付いている小型湯沸かし器(5号能力)まで資格は不要ですが給気口と換気扇は必須です。
主に浴槽内に設置するバランス釜、FE式、FF式など排気筒工事が伴う工事は特監法が必要となります。施工方法、ラベルシール貼り付けなどは今回は省略します。
【今回の事案】
RF式 チャンバー室(PS)における排気設備工事についてです。
基本的にRF式(屋外式)の給湯器は特監法の適応範囲外です。資格は必要ありません。
ただし、排気筒はSUS304同等以上のステンレス製を使用など設置上の基準があります。
まずは、こちらをご覧ください。
左画像の四角い排気トップ130パイ(防風板付き)に給湯器からの排気筒(黄色の四角)が接続されていません。この場合、給湯器の排気がチャンバー室内で充満して、そのまま給湯器が吸い込むことになります。ガスを燃焼するには良い環境ではありません。
給湯器からの排気を排気筒を使用して排気トップに接続して外気に放出させる為の工事が必要なのです。一番の問題は、機種選定を間違えて設置していることですね。
参考:◆ガス供給会社はガスを開栓する際にガス機器の点検も行うので、このような設置状況なら改善指摘をするのですが給湯器を交換しなければ改善にはなりませんから費用面で難しい問題となります。
また、開栓中の場合は4年に一度の定期保安検査までガス供給会社による機器のチェックは行いません。またRF式(屋外式)ということで指摘しないケースもあります。
【正解の設置工事】
給湯器からの排気が排気筒を使用して排気トップに接続されていますので、給気と排気が正常に行われます。排気トップの排気筒が130パイなので給湯器と同等の100パイに変更する必要があります。四角いステンレス製の防風板はガス釜の「自然排気用」ですが建物全体の美観も考慮して同等に設置する方が望ましいと思います。
※設置してある給湯器は機械ファンで排気を排出する強制ファン付なので防風板は基本的には不要です。
どうしてこのようになったか。
このチャンバー室というのは、集合住宅が建った当初は屋内式のガス釜が設置されていたことが以下の画像から想定できるかと思います。
チャンバー室という場所は、浴室から屋外へ排気を通すための排気筒を設置するスペースです。
現在も同様のガス機器はありますが、自動湯張りや浴槽を広くするためにガス釜を屋外に設置することが増えております。
設置機種の変更の場合、設置上の基準や知識が無いとこのような排気不備の給湯器の選定及び設置になってしまいますので注意が必要です。
ノーリツ及びリンナイは、給湯器品番の最後の方に【T】が付いています。このケースでもう少し細かく言うとスリムタイプ(横幅25cm)で排気筒延長タイプの給湯器の選定が必要です。
また・壁ピタ・ホールインと呼ばれる給湯器も同様に通路外まで排気筒の工事が必要です。
排気筒工事や排気変更アダプターなどは設置上の理由があって取り付けてあります。
給湯器交換は決して安価ではありません。ガス機器が安心安全に使用出来るように交換前、事前にご相談することをオススメします。
当ブログが参考になれば幸いです。
店長:木村光伸
「ガス業界経験26年」都市ガス・LPG工事可能!当店は東京ガス簡易内管施工店です。
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