綾瀬市の菊池物流のブログ
2024年12月9日
僕はもともと大手製造で溶接工として従事していた経験があります。
世界最大のあの重工業の会社と国内最大手の重工業会社で溶接工をしておりました。
元々モノづくりが性に合っているので、溶接は一心不乱にやってましたね・・まぁ、金属アレルギーになるまでやっちゃダメですがw
溶接というのは、金属を電気エネルギーで気化させて、地球の重力によって沈着させるというのが大まかなメカニズムです。
この溶接アーク内の温度はCO2溶接で約1600℃~3200℃、CO2混合で1600℃~4000℃アルゴンMIGで10000℃にも上ります。
通常の鉄、(いわゆるなまくら)は1300℃で液化し、2800℃から気化が始まるといわれています。
この液体、または気体(イオン化)した金属を不活化ガス(アルゴンやヘリウム等)で包み込み、雰囲気ガス内での比重を基に下にくっついていく仕組みです。
これが一般的に生産で使われるガス半自動溶接といわれるもので、自動車や、橋、ビルの骨組みなどに用いられています。
このガス溶接は材料条件に左右されづらく、溶け込みが深く高強度なのがメリットです。
反面、デメリットは気象条件に左右されやすく、加工部の靭性が低く割れやすいなどの特徴があります。
さて、少し技術的な話をしますと、溶接が工場生産が良いといわれている原因は、溶接中の成否は感覚でしかわからないということ。
人の目視でやることなので、Aさんが良いといってもBさんは不良だと言います。ここが技量で、ばらつきがあります。
であれば、溶接の技量に関わらず、最低限の結果を作る機械に同じものを複数作らせた方が効率的ということになります。
そして、要件を満たさないものは構造設計の段階で変更するか、安全係数を大きく膨らませるか等、画一的に変更できるセクターで補強をします。
これが工業技術ですが、溶接の職人的な人は育ちません。職人不在の世界の誕生です。٩( ''ω'' )و
所詮感覚・・されど感覚です。
ちなみにロボットの溶接はオペレーターの技能に依存しますので6割できてればOKくらいですので一点モノや、重要箇所では不向きです。
だって脆いもんww
備忘録的に基礎条件を書いておきますので溶接を学びたい方は参考にしてください。
40k級圧延材、9mm~12mm厚(SS400)
CO2ガス1.2mmワイヤー 対応脚長6mm~12mm 超える場合は多層盛推奨
・下向き前進法(フォワードウェルド)
ガス流量25L ワイヤー突き出し20mm~25mm 250Aー28.5V 前進15℃傾斜 有効アーク幅 2.6mm前後
上記で得られる溶け込み深さは1.2mm~最大2.4mm 0.9以下になった場合は要改善ww
・下向き後退法(フォワードウェルドーバックステップ)
250Aー30V前後に変更
・縦向き(バーチカルウェルド)前進法
ガス流量25L ワイヤー突き出し 15mm~20mm 130Aー16V~180Aー21V付近 有効アーク幅2.0mm付近(ここが重要、これに合わせる)
突き付けで無ければ裏波用の電気です。送りがかなり早いと思うが160~180Aが推奨
開先幅は概ね1.5mm 大体素ガラス1枚分です←(感覚ww)60℃カットで開先高さ1mmまで
予想溶け込み長0.9mm~1.5mm 1.6mm出せればJISの1級検定の曲げ試験はほぼクリアできます
0.9mmはほぼ割れます・・
・上向き前進法(オーバーヘッドウェルド)
ガス流量20L~25L ワイヤー突き出し20mm~25mm 120Aー15.5V~150Aー18V付近 有効アーク幅2.0mm(ここに合わせる)
開先幅おおむね1mm~1.5mm 60℃開先、高さ1mmまで
・上向き後退法(オーバーヘッドウェルドーバックステップ)
ガス流量25L ワイヤー突き出し20mm 130Aー15V付近 有効アーク幅1.8mm(ここに合わせる)で片持ち2層溶接がおすすめ
開先幅概ね1mm前後 60℃開先、高さ1mm以下
ふぅ・・(*_*)
ざっくりですがこのデータでJIS検定は取りやすいですよ!さぁみんなで1級技能士を取ってみようw(あまり役に立ちませんが・・)
これが45k級圧延材になるとまた条件が違ってくるんですよね・・黒皮と酸洗でも変わってきますし・・
高周波焼き入れなんて、ビードがはじけて仕方ない・・てか、高周波は溶接しちゃいかんww
最新の戦車に使われてる複層板の防弾板・・確かマグネシウム複層と聞いたような・・
秒速1200mを超える高速弾には強そうですが、逆に低速弾や衝撃弾は突き抜けるんじゃないの??
マグネシウムは軽くて硬いけど、割れやすい性質があるので伸びには弱そうよね・・
貫通りゅう弾砲みたいに2層構造の砲弾が来たら突き抜けちゃうよね・・
裏に溶接ビード盛りまくったほうが軽くて丈夫なような気がしますが・・まぁいっかwそういう事じゃないんだよきっとw
不思議なことに16mm鋼板1枚より8mm×2枚の複層板の方が耐久力が倍以上あるのは確かだし・・
正確に測ることはできないそうですが、溶接ビードは母材の約16~24倍の密度になるそうです。
手感覚(←好きですねw)ですが、削った感触では高周波焼き入れと同じくらいの密度でサンダーじゃなかなか削れません。
秒速1200mくらいじゃ傷がいい所じゃないかな・・実際に1gの秒速800m(速さは猟銃程度)じゃ傷すらつかないけど、砲弾の重さと形状にもよるか・・
店長:菊池 徹
とことん攻めるマルチプレイヤーです!!
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