戸田市の株式会社ストック建築事務所のブログ
2024年2月11日
こんにちは!
建築士の牛山です。
前回に引き続き、悪質な訪問販売についての注意喚起の内容となります。
住宅診断をしていると、床下で、「この家は訪問販売の餌食になってるな」と、残念に思うことがあります。
具体例は次の4つです。
①必要ない床下換気扇
床下の構成は、大きく分けてコンクリートの場合と土の場合に分けられます。
きれいに線引きできませんが、1990年以前の建物は土が多く、それ以降はコンクリートが多いです。
現在はほとんどの住宅がコンクリートでできています。いわゆるべた基礎の状態です。(べた基礎でなくてもコンクリートにはできますが。)
そして、床下が土の場合は注意が必要ですが、コンクリートである場合は、床下の湿気が高くてまずい状態というのはほとんどありません。
にも関わらず、床下に後付けの換気扇が設置されていることがあります。
中古購入で診断に入る場合に見つかることが多いのですが、購入者は以前の経緯を当然知らず、売主が昔に行っているというケースが多いです。
また、診断の際には換気扇が動いてすらいないことも多くあります。機械なので故障や停止もするものですが、それで床下の環境が悪くなっていることはこれまでありません。実質必要ないのです。
②必要ない調湿剤・まばらに設置された調湿剤
次に、床下に除湿剤が設置されているケースです。
調湿剤というのは、いくつかの種類があって、炭で構成されたものや、天然ゼオライトなどの鉱石が主成分の物などがあります。
これらが床下に設置されているケースを見かけますが、先ほどの例と同様に、コンクリートで構成された床下にはほとんど必要ないものです。
また、設置するのであれば、常識的に床下全面に行うものですが、一般の方が見ることができる点検口の付近にだけ設置されているケースや、奥の部屋に設置されていないケースなど、明らかに手抜きとみられる設置のされ方も、しばしば見かけます。
そのような場合でも、おそらく床下全面に行った場合の費用を支払ってしまっていると思うと、許せない気持ちになります。
この写真を見てください。奥の部屋で、まばらに調湿材が設置されています。
そもそもこの家は調湿材は必要ありません・・・
なお、
ここまでの①床下換気扇・②調湿材については、土台など木部の含水率により、必要性が確認できます。
含水率は20%以下であれば適正とされており、それを大きく超える場合は、対応が必要です。
床下がコンクリートの場合は超えることはほとんどありませんが、土の場合はこれらの対策が必要な場合もあります。
全ての対策が不要で悪質ということではありませんので、念のため。
含水率計はAmazonなどでも簡易的なものは数千円で購入できますので、ご自身でのチェックも可能です。
気になる方は、点検口付近の床下で、木材の含水率を調べてみてください。
③基礎の補強
コンクリート基礎の補強工事の必要性がないにもかかわらず、コンクリート基礎補強工事が必要であると告げて、実際には効果はあがらないような工事を行うものです。
コンクリート補強・補修材を塗布すれば、耐震補強、基礎補強になると言うものです。
正しい工事でも、耐震補強の一環として基礎の補強を行うことはありますが、基礎だけを補強すれば耐震性がクリアするというケースはほとんどありません。
建物全体をバランスよく補強することが必要か、あるいはそもそも補強が必要ない建物の場合もあります。
まずは有資格者による客観的な耐震診断を行い、建物の弱点を正確に把握する必要があります。
④シロアリの捏造
実際に遭遇した話として、「シロアリ駆除の訪問販売業者から、シロアリの写真と床下の写真を見せられた」というお客様がいらっしゃいました。
そこで私が床下調査をしたところ、どこにもそのような形跡が無いのです。おそらく、別の家の写真など、偽造のものを見させられたのではないかと踏んでいます。
また、シロアリをケースに入れて持参してきて、あたかもその家でシロアリを捕獲したかのように説明してくるという悪質な手口もあると聞きます。
以上、4つご紹介しました。
床下については、一般の方が見ることができないことを良いことに、悪質性が高い訪問販売が多い印象です。
飛び込みの業者が来ても、絶対に家に上げない。床下を見せないことで防げます。
また、床下について不安なことがある場合、住宅診断を活用するか、自分で探したシロアリ駆除業者やリフォーム会社に依頼をしましょう。
くらしのマーケットは口コミで選べるので安心です。
店長:牛山 友広
くらしのマーケットアワード2022 金賞 (リフォーム部門) 住宅に精通した一級建築士が丁寧に診断・報告します
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