戸田市の株式会社ストック建築事務所のブログ
2023年12月20日
こんにちは!建築士の牛山です。
一般の方が自分でもできる住宅診断。2回目の今回は、床下のお話しです。
床下は、建物の不具合が非常に現れやすい場所の一つです。
まずは、床下点検口があるかどうか確かめましょう。
床下点検口を開けて、次の点に気を付けて床下のチェックをしてみてください。
■漏水が無いか
床下点検口を開けて、中を懐中電灯で照らして覗き込んでみましょう。
明らかな漏水があるケースでは、この時点でカビ臭さや、水たまりなどが確認できることもあります。
過去に実際にあった例では、浴室の配管が外れていて、排水が床下全体に流れ出てしまっているお宅で、居住者はその状態で、おそらく数年間過ごしていたと思われますが、本人は気付くことはありませんでした。床下点検口を年に1回程度でも確認することで、このようなことは防げます。
また、中古住宅購入を検討している場合も、床下を覗き込んでみることで大きな不具合に気づくことができます。
■床下は土?それともコンクリート?
次に、床下の構造について。
最近の建物は、いわゆるべた基礎が採用されているケースが多く、コンクリートでできている場合が9割以上なのですが、築年数をさかのぼるほど、床下がコンクリートではなく土で構成されているケースが増えていきます。
1990年代の建物で半数程度、1980年代以前の建物ではほとんどの建物が土で構成されています。
床下が土の場合、コンクリートと比べて地面からの湿気の影響が建物に直接伝わりやすくなるため注意が必要です。
コンクリート製の床下
土で構成されている床下
また、点検口を開けて土が見えたとしても、さらに2パターンに分けられることにも注意が必要です。
一つは、まさしく地面そのものが見える状態。これは、最も建物に湿気の影響が出やすい構造です。
もう一つは、一見すると土に見えても、そのすぐ下に防湿フィルムが施工されていて、その上に敷かれた砂が固まって土のように見えているケースです。
この場合、土からの湿気は防湿フィルムでシャットアウトできて、湿気の影響は抑えられます。
また、防湿フィルムが正しく施工されていれば、コンクリート製の床下と同様、乾燥して良好な環境とすることも可能なのです。
ここから補足ですが、床下がコンクリートであることと、べた基礎はイコールではありません。「べた基礎」とよく比較される「布基礎」であっても、床下は土の上に防湿フィルム+コンクリートで構成されていて、べた基礎と見分けがつかないこともあります。
また、土の場合であっても防湿フィルムが施工されていれば大丈夫とお話しましたが、防湿フィルムの固定が不十分でめくれあがってしまっているケースなどもあります。
こちらの写真は防湿フィルムがめくれている状態。
そのような個別の良し悪しは、住宅診断で専門家に判断してもらうと良いでしょう。
住宅診断では、床下の木部の含水率(水分量)を計測して、20%以下に収まっているか確認したり、シロアリの被害が無いか確認したりすることができます。
お読みいただきありがとうございます。
次回もお楽しみに!
店長:牛山 友広
くらしのマーケットアワード2022 金賞 (リフォーム部門) 住宅に精通した一級建築士が丁寧に診断・報告します
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