戸田市の株式会社ストック建築事務所のブログ
2023年12月17日
こんちには 建築士の牛山です。
住宅診断は、専門知識が必要ですが、ポイントを絞れば、知識の無い一般の方でも自分でできることがいくつもあります。
まずは、床の傾きについてです。
今回の話は、新築ではあまり気にしなくて良いですが、中古住宅をご検討の方には大切な内容となります。
私たち専門家が住宅診断で床の傾きを診断する際は、水平レーザーを使用して厳密に計測をしますが、ご自分で傾きの有無を調べたい場合、次の方法がお勧めです。
■たくさん歩く
まずは床を踏みしめながら、たくさん歩いてみることです。内覧の時に家財などがたくさんあると難しいですが、広い部屋や廊下など、可能な限り往復して歩いてみてください。大股で歩いたり、ちょこちょこ歩いたり、東西方向に歩いたり、南北方向に歩いたりと、向きや方法を変えて多く歩いてみると、傾きに気づくことがあります。
■ゴルフボールを置く
廊下や広い部屋などで、ゴルフボールを置いてみることも方法の一つ。ただし、一つの空間で何か所かに分けて試してみることが大切です。なぜなら、置いた場所が偶然床が低くなっている箇所だと、ボールは転がらず、傾きに気づけないためです。
また、ビー玉で試している方をたまにお見掛けしますが、あまりお勧めではありません。ビー玉は転がりやすいため、問題が無いレベルの傾きでも転がってしまうためです。
一方ゴルフボールであれば、静かに置いた時に、問題ない程度の軽微な傾きであれば転がらず、ある程度大きな傾きの時だけ転がりますから、問題に気づきやすくなります。
■窓やドアをみる
建物の傾きがある場合、床だけでなく、壁や建具に傾きの症状が伴うことが多いです。
大きな窓などで、枠と窓との取り合いに隙間がある場合や、上下で隙間の大きさに差がある場合は注意が必要です。
また、窓やドアは、なるべく動かしてみて動作に異常が無いか、締まりにくいことが無いかみると、傾きに気づきやすくなります。
中古住宅など、売主さんがいる場合はなかなかやりづらいということもありますが、大きな買い物ですから、遠慮せずにやりましょう。
つい先月も、中古購入をされた方からご相談を頂き、住宅診断を行いましたが、建物の端と端で、床の高さに15cmも差がありました。
この方は、購入後すぐに異変に気付いていらっしゃいましたが、購入前に気づくことができていれば、余計な出費は抑えられたと思われます。
なお、床の傾きには国交省から基準が出ていて、6/1000の傾きで「瑕疵が存する可能性が高い」とされています。
これは、水平距離1mで高低差6㎜というものです。
部屋の端から端までが3m程度の場合、18㎜の高低差があると、この基準に相当します。
新築住宅の場合は、ハウスメーカーや売主業者によって個別により厳しい基準を設けていることが多く、3/1000(3mの距離で9mm)くらいが基準となっていることが多く、それ以上の傾きは不具合の可能性があります。
今回は、傾きについてのセルフチェックの方法をお伝えしましたが、セルフチェックをした上で疑問に思うことが見つかったり、不具合の可能性を感じたら、我々専門家に相談することをお勧めします。
次回、自分でできる住宅診断パート2をお送りします。どうぞお楽しみに!
店長:牛山 友広
くらしのマーケットアワード2022 金賞 (リフォーム部門) 住宅に精通した一級建築士が丁寧に診断・報告します
<関東>
茨城県
埼玉県
千葉県
東京都
神奈川県