横浜市泉区のテクノカワシマ合同会社のブログ
2021年3月28日
早朝と夜間にお見積もりをするのが日課になっております。
お客様のご要望にどうお応えすべきか色々と考えるのが楽しみの一つです。
●室外機の設置について
室外機も室内機と同様で離隔距離が必要です。
一般的に前面は20cm以上、背面は5cm以上、両側面は10cm以上ですが、正面から見て右側面には配管や配線の接続部がございますので30cm以上のスペースが必要です。
あくまでも個人的な見解ですが、室外機は背面から前面に向かって風が通り抜ける構造のため、効率を考えますと背面は8〜10cm程度は開けたいところです。
前面と背面の離隔距離が取れなければ室外機の付近だけで気流が循環してしまい、どんなに能力が大きい機器でもその能力を最大限に発揮することができなくなります。
設置場所は日光や雨風が直接当たらない風通しの良い所がベストですが、木造住宅でその条件を揃えるのはなかなか難しいことかもしれません。
その様な場合でも離隔距離だけはしっかりと確保する必要がございます。
ほとんどのメーカーは200Vの上位機種で大型の室外機を採用しています。
場合によっては室外機を置こうと思っていた所に納まらないことがございます。
既設の二段置き架台の下段や天吊り架台を再利用する場合、室外機の寸法や重量によっては納まらないことがございます。
室外機全体をしっかりと覆うような目隠しやカバーの設置は送風の妨げになり、能力の低下や故障の原因となる可能性がございます。
これは私の経験したことですが、マンションのリビングのベランダ設置や戸建の二階リビングのバルコニー設置のお客様が届いた大型の室外機を見て驚いておりました。
設置はできましたが、室外機背面の一部が窓から見える状態でした。
マンションで出窓や給湯器の下に室外機を入れ込む設計の場合は特に注意が必要となります。
また、機器の入れ替えの際も注意が必要です。
戸建で一階リビングの大地置きのお客様でしたが、既設の一般的な大きさの室外機が濡れ縁と手洗い場の間に有り、新品の大型室外機を納めるのに濡れ縁の移設を伴いました。
他のお客様で犬走上に有る既設室外機と同様に設置することができず、庭先まで配管を横引き延長して設置したこともございました。
これは私がとあるメーカーのメンテナンスの下請をしていた頃のお話です。
購入して半年程度なのに夏場に冷房が効かず室内機のルーバーが結露するという内容の修理依頼でした。
室内機には問題が見受けられず室外機を見に行くと、18畳用のそこそこ大きな室外機が外壁とブロックフェンスの間に挟まれるように設置してあり、前面、背面、左側面の離隔距離が5cm程度しかなく、ファンの高さの3分の2以上が3段積みのブロックで隠れていました。
しかも、フェンスの反対側には隣地の植栽が有り、風通しも良くない状況でした。
不具合対処の際は室外機の動作に問題は無く、お客様には設置基準を満たしていないことと室外機を嵩上げしてファンが隠れない様に設置する必要が有る旨をお伝えして退出しました。
その2週間後に同様の内容で修理依頼が入り、再度訪問して室外機を確認すると、嵩上げはしてあるものの、まだファンの高さの2分の1以上はブロックで隠れている状態でした。
しかも、今度は室外機が全く動作しておらず制御基板が故障していました。
結局メーカー側では保証ができず量販店の長期保証で修理をしましたが、この設置状況を改善しない限りいずれ不具合が再発するかもしれません。
その後は私が電気・水道・ガスのメンテナンスサービスから施工する側に転向したため、どうなったのかは不明のままです。
エアコン購入時はどうしても室内機に目が行きがちですが、室外機が離隔距離を保って設置できるのか、既設の室外機と同様に設置できるのか、移設先の設置場所に納まるのか等、事前にご確認いただくことをおすすめいたします。
取付作業についてご不明な点やご希望等がございましたら、お気軽にお問い合わせください。
店長:川嶋寛之
有資格者による安心・安全なサービスをご提供いたします。親切・丁寧に作業いたします。
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