2020年は新型コロナウイルスの影響から多くの企業でテレワークが推進され、「テレワーク/ワーケーション」が『現代用語の基礎知識選 2020ユーキャン新語・流行語大賞』にもノミネートされました。引き続きテレワーク需要は高まりを見せています。
そこで、テレワークを経験した人たちがどのような感想や課題を感じているか、またどのような人たちにテレワークが肯定されているかを調査しました。
目次
- 調査結果概要
- 調査1:テレワークの経験はありますか?
- 調査2:(テレワーク未経験者)テレワークについてどう思いますか?
- 調査3:(テレワーク経験者)テレワークについてどう思いますか?
- 調査4:テレワークによって変化はありましたか?
- 調査5:テレワークによって月の労働時間に変化はありましたか?
調査結果概要
- テレワーク経験者は約4割まで増加。うち、約7割は継続・断続的にテレワークを実施中
- テレワーク未経験者が思う以上にテレワークは好評
- 未経験者のうち、テレワークをやってみたいと回答したのは約3割。一方で経験者の7割が「非常に良い」「どちらかと言えば良い」と回答
- テレワークの満足度が低いのは「40代男性/50代女性」×「未婚」×「テレワーク歴半年未満」
- テレワークによって最も良くなったのは「精神面」、最も悪くなったのは「仕事の効率」
- 3割以上の人が労働時間は「減少した」と回答。一方で、「増加した」も2割
調査1:(就業経験者)テレワークの経験はありますか?
「ある」と回答したのは37.3%となり、過半数には満たなかったもののテレワークが新しい働き方として定着していることがうかがえました。
テレワークを経験した人に経験時期について聞いたところ、コロナ禍以降に経験した人は71.0%となり、66.8%の人は現在も断続的・継続的にテレワークを行なっているようです。
調査2:(就業経験者かつテレワーク未経験者)テレワークについてどう思いますか?
テレワーク未経験者に「テレワークについてどう思うか?」を聞いたところ、「非常にやってみたい」「どちらかと言えばやってみたい」と回答した人は31.6%で少数派となりました。
テレワークをやってみたいと回答した人のほとんどが「通勤時間を違うことに活用できる」点を理由として挙げる一方で、やりたくないと回答した人からは「家だとだらけてしまいそう」「書類を持ち帰るのが大変」「やったことがないから不安」などさまざまな意見が聞かれました。
テレワークを「やりたくない」と回答した人の理由
- オンとオフのメリハリがつかない感じがするから。(50代・男性)
- パソコンの用意ができたことと感染者が増えたことで、来週からリモートになります。必要書類を持って帰るのが大変そうです。(60代・女性)
- やった事がないから不安。(50代・女性)
- 人恋しくなりそうだから。(40代・女性)
調査3:(テレワーク経験者)テレワークについてどう思いますか?
テレワーク経験者に対して感想を聞いたところ、「非常に良い」「どちらかと言えば良い」と答えた人は全体の7割超えとなり、テレワーク未経験者の想像よりも実際のテレワークは好評であることが分かりました。
続いて、性別・年代別に結果を見たところ、「非常に良い」「どちらかと言えば良い」と答えた割合が最も高かったのは男女ともに「30代以下」(男性:73.7%、女性:81.3%)となりました。
反対に割合が最も少なくなったのは男性が「40代」(64.5%)、女性は「50代」(65.9%)でした。
次に婚姻状況と子どもの有無で分けたところ、未婚者よりも既婚者の方がテレワークの評価が高いことが分かりました。
これは未婚者よりも既婚者の方が時間の制約を受けやすく、通勤時間を他のことに利用できることが喜ばれているのだと推察されます。
また、「非常に良い」「どちらかと言えば良い」と答えた割合について、子どもがいる人といない人では大きな差は見られませんでしたが、子どもなしの方が「非常に良い」と答えた割合が10ポイント以上高くなりました。
子どもがいる人にとってテレワークは“助かる”働き方なのに対し、子どもがいない人にとっては自分あるいは夫婦の時間を“楽しめる”働き方なのかもしれません。
次にテレワークの経験期間で結果を比較したところ、テレワーク経験が「半年未満」の場合は「非常に良い」「どちらかと言えば良い」と答えた割合が最も少なく、約1割が「どちらかと言えば悪い」「非常に悪い」と回答しました。
年数が経つにつれて肯定的な意見が増加し、「3年以上」の人では「どちらかと言えば悪い」「非常に悪い」の回答数が0になりました。
しかしながら「非常に良い」「どちらかと言えば良い」の割合が最も高かったのはテレワーク歴が「3年以上5年未満」の人で、「5年以上」テレワークを続けると悪い点は感じなくてもテレワークに対する満足度は下がり始めるようです。
調査4:テレワークによって変化はありましたか?
テレワークによって各項目に変化があったかを聞いたところ、良くなったものについては1位「精神面」(37.7%)、2位「仕事の効率」(29.8%)、3位「健康面」(28.7%)となりました。
しかしながら反対に悪くなったもののTOP3も1位「仕事の効率」(26.2%)、2位「健康面」(18.8%)、3位「精神面」(17.1%)と同じ項目がランクインしました。
気の持ち方や立場によって会社の人間関係のストレスから解放されたという意見もあれば会社の人との関係を築けなくて困っているという意見もあり、一概にテレワークによって何が良くなった、悪くなったと言うことは難しそうです。
テレワークによる変化
- 通勤時間がないので、子供を保育園に送ってすぐに仕事に取り掛かれる。ネット環境が良くないので、WEB会議をしていても効率が悪いことも有る。(30代・女性)
- 仕事の環境が整っていない中で急遽在宅ワークになったので仕事場所の確保、家族の理解を得るのが難しかった。また家族は家にいる私に色々雑務を頼んできたり話しかけてくるので集中できなかった。(40代・女性)
- 家事や育児への貢献が多くなった。(40代・男性)
- 姿が見えない分、職場の人間の配慮が増した気がする。(40代・女性)
- 通勤時間が削れることで、朝ごはんをしっかり食べる時間ができた。(20代・女性)
- ネガティブな人間関係に悩まされずマイペースで効率よく仕事は出来るが褒められることも感謝されることもない。(40代・女性)
- 部下の顔色、タスクの遅れが掴みにくい。(50代・男性)
- 職場のストレスがなくなったが、ずっと家にいると家族との摩擦が増えた気がする。(40代・女性)
- 業務上の小さな相談や軽い愚痴などが言いづらく正直職場の人間関係は希薄になりました。周りのために何かしようという意識も皆薄れているのを感じます。その為精神的には全く1人で仕事しているような気分になり、気持ちが落ち込むことが増えたような気がします。しかし元々夜が遅い仕事の為、仕事が終わってすぐ家にいられることは睡眠時間や食事を作る時間の増加に繋がり、プラス面も感じています。(40代・男性)
調査5:テレワークによって月の労働時間に変化はありましたか?
約半数が「変わらない」と答えた一方で、32.2%の人が「減った」と回答しました。
うち、18.4%の人は「月間10時間以上減った」と回答しており、お付き合い残業やアピール残業から解放され、新しい生活様式を築き始めている人も一定数いることがうかがえました。
一方で、在宅勤務によって上手く切り替えができなかったり、ずるずると働いてしまうなど労働時間が「増えた」と回答した人も19.1%いました。
テレワークは労務管理が届きにくいからこそ、自分で強い意思を持ったり、課題解決能力を育てることが大切だと言えそうです。
テレワーク中に出た課題と解決法
-
オンオフの切り替えが難しい
仕事終了時に一度PCは閉じるようにしている。(40代・女性) - 会社のメンバーと交わす私語がないので頼み事をしづらくなった。頼まれ事も減った気がする
なにかコミュニケーションが発生した際に、ついでになんか仕事で困ってることないですか?と聞くようにした。(20代・女性) - 子育て世帯なので生活空間が広くないとストレスがたまる
引っ越しをしました。(30代・男性) - ちょっとしたことを周りのメンバーに聞くことができない
Slackなど、楽なコミュニケーションアプリを使っています。(60代・女性) - 給与が減った
そのまま時間が増えたことを有効活用して副業を増やして補った。(40代・女性) - 子供がいる為途中で中断する事が多く、夜中にパソコンに向かい仕事をし、睡眠時間がとても減ったと思う。寝不足のせいか頭痛など身体が不調になった
掃除など怠ってしまった所は家政婦さんなど短時間お願いしてやってもらう等時々サポートしてもらいながら生活するようにした。(40代・女性)
調査概要
調査タイトル :「テレワーク」に関するアンケート調査
調査対象 :「くらしのマーケット」会員の773名
調査期間 :2020年11月6日~11月13日
調査方法 :インターネット調査
調査主体 :みんなのマーケット株式会社
<報道関係者お問い合せ先>
みんなのマーケット マーケティング本部
Email: marketing@curama.jp
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