育休取得後の満足度に男女差 「非常に良かった」男性8割超え、女性5割下回る 男性の育休取得に関するアンケート調査

2024.1.22 更新

赤ちゃんの面倒を見る男性

厚生労働省は、男性の育休取得を促進させるため、事業主に対して働き手に取得を個別に働きかけることを法律で義務づける方針を固めました。子供が生後8週までなら、2週間前までの申請で取れる「男性産休」も新設するとしています。

男性でも育休を取得しやすい職場作りのための制度が急ピッチで整えられている今、男性の育休取得に対する男女それぞれの理想や現実はどうなっているのでしょうか。くらしのマーケットは会員522名に対し、アンケート調査を行いました。

目次

  1. 調査結果概要
  2. 調査1:もし子供ができたら、育休を取得したいですか?育休を取得したことはありますか?
  3. 調査2:育休を取る理由、取らない理由
  4. 調査3:育休を取得して良かったですか?育休を取得してもらって良かったですか?
  5. 調査4:配偶者にやってほしかったことは何ですか?実際に配偶者がやったことは何ですか?

調査結果概要

  • 子供を望む男性の86%が育休取得意向示す
  • 現在までに育休を取得している男性は育児貢献意欲の高い男性のみ
  • 男性が育休を取得しなかった理由の多くは「収入」「職場環境」によるもの
  • 育休取得男性の82%が取得して「非常に良かった」と答えた一方で、女性は48%に留まる
  • 多くの女性が配偶者に対して「育児」に加えて「家事」を期待したが、「家事」への貢献は女性の理想を下回る

調査1:もし子供ができたら、育休を取得したいですか?育休を取得したことはありますか?

子供を望んでいる男性に対して育休の取得意向を聞いたところ、過半数が「絶対取得したい」と回答しました。「できれば取得したい」を含めた取得意向は85.7%となりました。

調査結果1−1

一方、実際の男性育休取得状況を調べたところ、「取得した」は8.4%と1割を切りました。

「取得したかったが取得できなかったえ」も7.9%に留まっており、今までは多くの男性が育休取得の検討にも至らず、取得してこなかったことがうかがえました。

調査結果1−2

調査2:育休を取る理由、取らない理由

育休を取得したことのある男性に理由を聞いたところ、「パートナーの助けになりたいから」(45.5%)「育児に積極的に参加したかったから」(36.4%)「育休制度を有効活用したかったから」(36.4%)といった内容が上位に並び、育児参加意欲の高さが見えました。
言い換えると、育児参加意欲の非常に高い男性「だけ」が育休を取得しているのが現状なのかもしれません。

調査結果2−1

続いて、育休を「取得したかったができなかった」「取得しなかった」と答えた人に理由を聞いたところ、最も多かった回答が「収入が減るのは困るから」(30.7%)、続いて「職場の仕事が回らなくなるから」(28.0%)、「職場に取得しづらい雰囲気があるから」(25.3%)となりました。

現在、育児休業を取得しやすい職場環境の整備や大企業に対する育児休業の取得率の公表義務など多くの制度の検討・整備が進められており、育休を取りづらい環境にある男性は今こそ声を上げることが重要だと言えそうです。

調査結果2−2

調査3:育休を取得して良かったですか?育休を取得してもらって良かったですか?

男女ともに肯定的な意見が9割を超えた一方で、その内訳には差が出ました。男性は「非常に良かった」が8割超えなのに対し、女性は半数以下の47.6%となり、42.9%の人は「どちらかと言えば良かった」と回答しました。

調査結果3

女性側の具体的な理由の中で見えてきた重要ポイントは「今までやってきていないことはすぐにできるようにはならない」ということと、「指示待ちや育児・家事と関係ない行為は大きなマイナスポイントとなる」という点だと言えそうです。

夫が育休を取って「非常に良かった」と回答した人の理由

  • 第二子出産後、産後高血圧になり、退院が延び第一子の世話を主人がしてくれた。退院後も安静にしてなくてはいけなかったので、産まれた子供の面倒もほぼみてくれた。(40代・女性)
  • 家事育児の共有ができた。2度とない新生児期を一緒に過ごして、かわいさを共有してもらえた。上2人の時には全く取らなかったので、やっと取らせることができた。(30代・女性)
  • 2人目をすぐに妊娠したので上の子を保育園に預けられなかった。コロナの影響や両親が遠方に住んでいることもあり、周囲の協力が得難い状況の中で、主人に頑張ってもらえるのは有り難かった。本人が家事育児が出来るので家にいてもらえたほうが良いが、そうでないタイプなら家にいても邪魔な気はする。(30代・女性)

夫が育休を取って「どちらかと言えば良かった」「どちらとも言えない」と回答した人の理由

  • 夫は4ヶ月の育休を取得。産後は私の身の回りの世話(炊事洗濯)をしてほしかったが普段やらないのでできるわけもなく、常に指示待ちでイライラ、完成度も低かった。ただ、出産が1度目の緊急事態宣言中で、出勤して感染し帰宅という心配がなく、また第一子のため何事も相談しながら子育てを始められたことはとても良かったと思う。(30代・女性)
  • 子どもとよく関わってくれたのは良かったが、趣味の時間が多かった。(30代・女性)
  • パートナーの昼寝にイライラしたこともあった。(30代・女性)

調査4:配偶者にやってほしかったことは何ですか?実際に配偶者がやったことは何ですか?

女性の希望としては「子供の世話(お風呂入れ)」と共に「掃除・洗濯などの家事」「買い物」といった身の回りの世話が上位にランクインしましたが、男性が実際にやったことは「子供の世話(オムツ替え)」「子供の世話(お風呂入れ)」「その他子供の世話」という順になっており、子供に直接関わるものが上位を占めました。

産後の女性にとって洗濯・掃除・買い物・料理などの立ち仕事は荷が重く、男性はそこを率先して請け負うことで夫婦の絆はさらに深まりそうです。
また、苦手な家事は配偶者が妊娠してから育休に入るまでの間に少しずつやってみたり、「家事代行」などのサービスを有効に利用して自身はそれ以外のできることを頑張るといった工夫で乗り切ることもできそうです。
また女性も体の自由が利くうちに男性に家事を教え込むことで産後に楽をすることができるかもしれません。

調査結果4

■調査概要

調査タイトル :「男性の育休取得」に関するアンケート調査
調査対象 :「くらしのマーケット」会員の522名
調査期間 :2021年1月19日~1月24日
調査方法 :インターネット調査
調査主体 :みんなのマーケット株式会社

<報道関係者お問い合せ先>

みんなのマーケット マーケティング本部
Email: marketing@curama.jp

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