
「レンジフード」と聞くと、下に向かって少し広がった大きめの換気扇を思い浮かべる人が多いのではないでしょうか。
確かに一般住宅でよく見る換気扇にはこのタイプが多いですが、換気扇の上にカバーが付いているものや、最新の薄型の換気扇も「レンジフード」と呼びます。
「そもそもレンジフードって何?」「何で種類が分かれているの?」そんな疑問を解決するべく、レンジフード(キッチン換気扇)の種類と違いを解説します!
目次
- 1)レンジフードとは
- 2)キッチン換気扇の種類(フードの形状)
- 2-1)ブーツ型(深型)
- 2-2)スリム型(薄型)
- 2-3)フラット型(浅型)
- 3)キッチン換気扇の種類(ファン)
- 3-1)プロペラファン
- 3-2)シロッコファン
- 3-3)ターボファン
- 4)併せて読みたいおすすめ記事
1)レンジフードとは
レンジフードとは、キッチンのガスコンロ上部に設置された換気扇と、その換気扇に被さるように設置された「覆い」のこと。
換気扇がフードで覆われていることにより、調理時に出る蒸気や匂いが換気扇に誘導されやすくなり、効率的に排煙ができる仕組みになっています。
レンジフードの種類は、フードの形状と換気扇のファンの種類により異なります。フードの形状、ファンともに3つの種類があります。
2)キッチン換気扇の種類(フードの形状)
- ブーツ型(深型)
- スリム型(薄型)
- フラット型(浅型)
2-1)ブーツ型(深型)

レンジフードといえばこの形を思い浮かべる人も多いのではないでしょうか。最近では多くの住宅にこのフードが採用されており、「スタンダード型」と呼ばれることもあります。蒸気や匂いを集める性能が高く、かつシンプルな形状でどんなキッチンのデザインにも合わせやすいのが特徴です。
また、換気扇とフードが一体化している他の3つの種類とは異なり、ブーツ型はフードのみを取り付けることが可能なため、昔ながらのプロペラ型の換気扇の上に、フードを後付けすることもできます。
ブーツ型のデメリットとして挙げられるのは、フィルターの掃除が面倒なこと。「スロットフィルター」と呼ばれるフィルターは、窓に付けるブラインドのような構造になっており、細かく開いたフィルターの目に油汚れやホコリが溜まるため、定期的に掃除をする必要があります。
2-2)スリム型(薄型)

スリム型(薄型)は現在の最新型で、そのスタイリッシュな見た目から、インテリアとしても高い人気がある型です。また、スリム型の大きなメリットとして、掃除のしやすさがあります。
従来の目の細かいフィルターと異なり、穴がなく汚れが付きにくいプレートが付いているものや、フィルターの掃除が不要な、ノンフィルタータイプなどがあります。レンジフード内部の溝や繋ぎ目をなくすことで、拭き掃除がしやすい構造になっているのも特徴です。
他にも、汚れが落ちやすくなるコーティングや自動お掃除機能など、掃除の手間が省けるようにさまざまな工夫が施されているタイプが多く販売されています。
2-3)フラット型(浅型)

「平型」と呼ばれることもあるフラット型のレンジフードは、他の種類と比べて縦の大きさが小さく、薄いコンパクトな形をしています。そのため、設置場所の天井が低い、もしくは狭い場合でも設置することが可能です。
ブーツ型のレンジフードと同じくフィルターが取り付けられており、定期的にフィルターとファンの掃除が必要です。ブーツ型のファンは斜めに取り付けられているのに対し、フラット型のファンはガスコンロと平行に取り付けられているため、真上を向きながら作業しなければならないのがデメリットです。
3)キッチン換気扇の種類(ファン)
- プロペラファン
- シロッコファン
- ターボファン
3-1)プロペラファン

昔ながらのキッチンの換気扇といえばこのタイプ。換気扇のような羽根が回転して蒸気や匂いを吸い込み、直接屋外に排出する仕組みになっています。プロペラファンの換気扇は、壁に直接に取り付けられているのが特徴で、排気が通るダクト(通風管)は取り付けられていません。
構造もシンプルで取り付けがしやすく、排気量も多いのがメリットですが、直接屋外と繋がっているため、外からの風が入ってきたり、風が強いときは排気の機能が弱まったりすることもあります。
3-2)シロッコファン

格子状に細い羽根が付いている、回し車のような形のファンがシロッコファンです。換気扇とフードが一体型になっているレンジフードに取り付けられており、ダクト(通風管)を通して排気する仕組みになっています。
プロペラファンは屋外に直接排気するため、屋外に面している壁にのみ取り付けが可能ですが、シロッコファンの場合はダクトを通して排気するため、自由な場所に設置することができるのがメリットです。最近は高気密・高断熱の住宅も多いため、外からの風をシャットアウトしたい場合はシロッコファンタイプが良いでしょう。
風量はやや少なめですが、空気を押し出す力が強いため、高層住宅など外の風が強い場所や、ダクト(排気管)の長さが長い場所によく使われています。
3-3)ターボファン
シロッコファンに似ていますが、一つ一つの羽根が大きく枚数も少ないのがターボファン。プロペラファンとシロッコファンの中間のようなファンですが、3種類の中では一番排気効率が良いという特徴があります。ターボファンも強い外風やダクトからの風の抵抗に強いため、壁への直付け(直接排気)や高層住宅への取り付けが可能です。
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