目次
- 1)鍵全体(錠前)の仕組み・構造
- 2)シリンダー錠の仕組み
- 3)マスターキーシステムの仕組み
- 4)シリンダー錠は鍵を使わずに開けられる可能性がある【注意】
- 5)防犯性の高い鍵と交換して自宅のセキュリティを強化
この記事でわかること
鍵(錠前)の仕組みは?
鍵は錠に対応した鍵を鍵穴に挿すと、シリンダーが回ります。錠ケースに備わっているデッドボルトが動き施錠・解錠できる仕組みです。
>>詳しい鍵の名称や仕組みはこちら
シリンダー錠の仕組みは?
シリンダーは錠ケースに固定されている外筒の中に、回転する鍵穴部分(内筒)が入っています。
シリンダー内部には「タンブラー」という障害物があり、未使用時に内筒が回らないようロックしていて、正しい鍵を鍵穴に挿すことで回り解錠・施錠できる仕組みです。
1)鍵全体(錠前)の仕組み・構造
画像提供:美和ロック株式会社
玄関のドアやロッカーなど、さまざまな場所で使われている「鍵」。
正確には、ドアに取り付けてある「錠」と錠を操作する道具の「鍵(子カギ)」の2つに分けられ、それらの総称が「錠前」です。
また、錠のデッドボルトやラッチボルトなどの機構が詰まっているものを「錠ケース」(シリンダーやハンドルを除く)と呼びます。
鍵を使ってシリンダーが回ると、錠ケースに備わっているデッドボルトが動き、ストライクに入ると施錠、抜けると解錠できる仕組みです。このときシリンダーの動きに合わせて、サムターンも動きます。
2)シリンダー錠の仕組み
玄関のドアやロッカーなどでよく使われるのが、「シリンダー錠」という錠前です。
シリンダーは錠ケースに固定されている外筒の中に、回転する鍵穴部分(内筒)が入っています。
シリンダー内部には「タンブラー」という障害物があり、未使用時に内筒が回らないようロックしています。正しい鍵を鍵穴に挿すことで回り解錠・施錠できる仕組みです。
また、シリンダー錠は、備わっているシリンダーの種類によって内部の構造や特徴が異なります。
ピンシリンダー
ピンシリンダーは、シリンダー内にピン状のタンブラー(タンブラーピン)が4〜6本ほど配置されています。
鍵を鍵穴に挿すとタンブラーピンが押し上げられ、外筒と内筒の接触面(シアライン)にタンブラーピンの高さが揃うと内筒が回り解錠・施錠する仕組みです。
鍵の片側がギザギザしているのが特徴です。
参考:賃貸用語集>ひ行>ピンシリンダー錠|大東建託リーシング株式会社、ディンプルキーとギザギザのカギはどちらが安心!? その③|6本ピンシリンダーの構造|日本ロックセキュリティ協同組合
ディスクシリンダー
ディスクシリンダーの内筒には、ディスク状のタンブラーが並んでいます。
正しい鍵を鍵穴に挿すとタンブラーが移動してシアラインに揃い、解錠・施錠できます。鍵は両側がギザギザしているのが特徴です。
しかし、最近ではディスクシリンダーの防犯性を高めた、「ロータリーディスクシリンダー」が普及しています。
ディスクシリンダーの内部に、ロッキングバーと呼ばれる棒状の部品が追加された構造です。
未使用時は内筒が回らないように阻止していますが、正しい鍵を使うとタンブラーが回転し、タンブラーにある切り欠き(溝)にロッキングバーが入り内筒内に収まるため解錠・施錠できる仕組みです。
参考:ディスクシリンダー錠|不動産用語集|三井住友トラスト不動産、ロータリーシリンダーの構造について|ディンプルキーとギザギザのカギはどちらが安心!? その④|日本ロックセキュリティ共同組合
ディンプルシンダー
ディンプルシリンダーは、シリンダー内の上下左右、あらゆる方向にタンブラーピンが配置されています。
鍵の表面に複数の丸い窪み(ディンプル)があり、正しい鍵を使うとすべてのタンブラーピンの高さがシアラインに揃い施錠・解錠できる仕組みです。
ディンプルシリンダーは鍵の窪みの深さや位置がシリンダー内のタンブラーピンと正確に合致しないと内筒が回らないため、鍵の複製が難しくピッキングにも強いです。
防犯性の高さから、ディンプルキーの合鍵は鍵屋さんでも作れないことがあります。
ディンプルキーについて詳しく知りたい方は、ディンプルキーに関する記事もあわせてご覧ください。
ディンプルキーとは?防犯性や交換にかかる費用など解説
参考:ディンプルキーとギザギザのカギはどちらが安心!? その②|日本ロックセキュリティ協同組合
シリンダー錠とは異なる仕組みの電子錠がある
3)マスターキーシステムの仕組み
マスターキーシステムとは、1本の鍵(マスターキー)で複数の異なる錠前の施錠・解錠できるシステムのことです。
例えば4つの錠前があり、それぞれに対する鍵(子カギ)が存在します。マスターキーはその4つの錠前をすべてを1本で管理できる仕組みです。
マスターキーが使えるシリンダー内のタンブラーピンの上部には切り込みが入っていて、「マスターキー」と「子カギ」どちらを使っても、タンブラーピンの高さが揃い施錠・解錠できる構造となっています。
たくさんの部屋を管理する必要がある、ホテルやマンションで採用されています。
参考:マスターキーシステムとは何ですか|お客様サポート・よくあるご質問|スガツネ工業
逆マスターキーシステムもある
マスターキーシステムとは逆で、複数の錠前の鍵で共通の1つの錠前を開けられる「逆マスターキーシステム」もあります。
例えば、マンションのオートロックや駐車場の出入り口のように、共通の出入り口に採用されていることが多いです。
参考:逆マスターキーシステム|不動産用語集|goo 住宅・不動産
4)シリンダー錠は鍵を使わずに開けられる可能性がある【注意】
シリンダー錠は、以下の方法で鍵を使わずに開けられる可能性があります。
※※注意※※
日本ではピッキング防止法(特殊開錠用具所持禁止法)があり、正当な理由なく指定されている侵入工具を持っていると罪に問われる可能性があるので注意してください。
「鍵を紛失して玄関ドアを開けられない」とき、鍵開け事業者に依頼すると以上の方法で開ける場合があります。しかし、空き巣の手口として使われることもあるので注意が必要です。
ピッキング
鍵穴のピンを専用工具で押して、疑似的に鍵が差し込まれている状態を作って開ける方法です。
ピッキング対策がされていないシリンダー錠であれば、1分もかからず開けられる可能性があります。
ピッキングで解錠可能な鍵は、内部構造が簡単な「ディスクシリンダー」と「ピンシリンダー」です。
ただし、最近の住宅に付いているピンシリンダーは見た目は同じでも、ピッキング対策されていることがあります。
バンピング
バンピングは、特殊加工した鍵を用いて不正に解錠する方法です。
シリンダー内部が単純な構造のピンシリンダーに用いる方法で、ピッキングのように技術や工具が不要で無理やり解錠した痕跡も残りにくいです。
サムターン回し
サムターン回しは、ドアスコープの穴やドアの隙間などに工具を通し、室内側で施錠・解錠するためのツマミ(サムターン)を直接操作する方法です。
サムターンの種類によっては、工具の先にアタッチメントを付けて作業する場合もあり、高度な技術が必要となります。
破壊開錠
破壊開錠とは、錠前を壊して開ける方法のことです。
ピッキングやバンピングをしても開けられないときに使う方法ですが、ドリルなどの工具を用いるためドア本体やドアノブなど他の部分を壊す可能性もあります。
万が一「鍵の紛失」「シリンダーの不具合」などで玄関の鍵を開けたいとき、これらの方法を使って自分で開けるのではなく、鍵開け事業者に依頼するのがおすすめです。
自分で解錠しようとすると、鍵以外のものを壊して高額な費用がかかるリスクもあります。
くらしのマーケットでは、「玄関の鍵開け」サービスも行っています。経験豊富な事業者が揃っているので利用してみてください。
「玄関の鍵開け」の料金・口コミを見る解錠と開錠の違いについて詳しく知りたい方は解錠と開錠に関する記事もあわせてご覧ください。
解錠と開錠の意味の違いは?メリット・デメリットや費用を解説
5)防犯性の高い鍵(錠前)と交換して自宅のセキュリティを強化
シリンダー錠は種類によって構造・仕組みが異なるため、それぞれ防犯性が異なります。
特に防犯性が低い「ピンシリンダー」「ディスクシリンダー」が取り付けてある場合は、不正解錠されやすいので注意が必要です。
できれば、自宅のセキュリティを強化するために、「CP認定錠」や「ディンプルシリンダー」のように防犯性が高い錠と交換するのをおすすめします。
また、シリンダー錠の耐用年数は10年といわれています。古くなっていると劣化して防犯性が低くなる危険があるので、交換するときの目安にするとよいでしょう。
参考:錠の耐用年数と保守点検制度について|美和ロックシステム株式会社
Q.CP認定錠とは?
「耐久性」「ピッキングやドリル抵抗性」「防爆性」などをチェックする、厳しい防犯性能試験をクリアしていて防犯性が高い。
玄関の鍵の交換方法について詳しく知りたい方は、玄関の鍵の交換に関する記事もあわせてご覧ください。
玄関の鍵交換を自分でDIY!事前準備や交換方法を解説
補助錠を取り付けるのもよい
現在鍵が1つしかついていない場合は、自宅のセキュリティを強化するためにも補助錠を取り付けるのがおすすめです。
「ワンドア・ツーロック」制を導入すると、不正解錠しようとしても手間と時間がかかるため不正侵入しようとした犯人が諦める可能性が高くなります。
くらしのマーケットには、「鍵(補助鍵)の交換・取り付け」サービスもあります。補助錠で自宅のセキュリティを高めたいという場合は利用してください。
「鍵(補助鍵)の交換・取り付け」の料金・口コミを見る他にこんなサービスもあります
「防犯カメラを設置したいけれど、録画機材も設置場所もわからない」という方には、防犯カメラ設置がおすすめです。セキュリティカメラのプロに位置や機種を相談しながら設置してもらえます。
防犯カメラ設置を利用する最近、玄関のドアの開け閉めが大変な方や鍵が閉めづらくなった方、防犯対策に不安がある方には玄関ドアリフォームがおすすめです。現在販売されているドアは軽いので開け閉めが楽になる可能性が高いです。玄関リフォームするだけで、費用も少なく印象も変わります。おうちを大切にかつ快適に住み続けるために依頼してみてはいかがでしょうか。
玄関ドアリフォームを利用する
ライター:森田さなえ
主婦8年目です。自宅を購入したものの、思いのほか大通りから自宅の中が見えて防犯対策を試行錯誤しています。
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