
高温多湿で利用頻度が高いお風呂場は、汚れが蓄積しやすい場所の一つ。
お風呂場に発生するさまざまな汚れの特徴と掃除のコツ、重曹とクエン酸を使った簡単な掃除方法をご紹介します。
長い間掃除をサボってしまっている……なんて場合におすすめしたい業者のお風呂クリーニングの料金相場やよくある質問にも回答します。
目次
- 1)お風呂の汚れと掃除のコツ
- 1-1)赤カビ
- 1-2)水垢
- 1-3)石けんカス
- 1-4)黒カビ
- 2)お風呂掃除の洗剤と道具
- 3)お風呂の掃除方法
- 3-1)頑固な水垢の掃除方法
- 3-2)黒カビの掃除方法
- 4)お風呂の掃除頻度
- 5)業者のお風呂クリーニングとは
- 5-1)お風呂クリーニングの料金・所要時間
- 5-2)お風呂クリーニングのよくある質問
- 6)写真で見るお風呂クリーニング
1)お風呂の汚れと掃除のコツ

お風呂場にはさまざまな汚れが蓄積しますが、汚れの種類は主に下の5種類です。
- 赤カビ
- 水垢
- 石鹸カス
- 黒カビ
- 皮脂汚れ
人間から出る皮脂汚れ以外にも、石けんやシャンプーの成分、入浴剤に含まれる保湿成分、水道水に含まれるミネラル成分なども汚れの原因となります。
これらの汚れを栄養分に雑菌が繁殖することで、ぬめりやカビが広がっていきます。お風呂場は高温多湿になる頻度が高く、雑菌の繁殖に好条件なことも、汚れが繰り返される原因です。
1-1)赤カビ
「赤カビ」とは、「ピンクぬめり」や「ピンク汚れ」とも呼ばれ、淡いオレンジ〜赤色をした汚れです。
「ロドトルラ」という酵母菌の一種で、皮脂や石けんカスなどを栄養分に繁殖しますが、水分だけでも繁殖することができるため、繁殖スピードが非常に速いのが特徴です。そのため、水回りに発生しやすく掃除をしても繰り返し発生します。
赤カビを掃除するには、赤カビをこすり落とすだけでなく、赤カビの栄養源となる皮脂汚れや石けんカスも取り除く必要があります。
1-2)水垢
水垢とは、水道水に含まれるミネラル成分が、水分の蒸発とともに結晶化して残ったものです。
お風呂場の場合、石けんカスやシャンプーなど他の成分も混ざっています。目立つのは鏡や蛇口まわりに付く白い水垢ですが、床・壁・浴槽などにも蓄積しています。
水垢はアルカリ性の汚れなので、酸性の性質を持つクエン酸が有効。こすっても落ちない頑固な水垢には、クエン酸水パックが効果的です。
1-3)石けんカス
石けんカスとは、水垢と、皮脂や石けんの成分である脂肪酸が混ざってできた白くザラザラとした汚れです。
特にプラスチック製のイスや洗面器などにつきやすく、頑固で落ちにくいのが特徴。カビを覆うように付着するため、カビ取りの効果を半減させてしまいます。
酸性の石けんカスを取り除くには、重曹やセスキ炭酸ソーダなどのアルカリ性の洗剤を使いましょう。市販されている石けんカスに特化した洗剤も効果的です。
1-4)黒カビ
黒カビとは、高い温度や湿度、汚れなどの条件が揃った場所で繁殖したカビ菌のことです。カビ菌は、植物の根のような「菌糸」と呼ばれるものを伸ばしながら繁殖するため、パッキンなど柔らかい素材に根を張りやすい特徴があります。
固いブラシなどで素材を傷つけてしまうと、その傷の中に根を張り取り除けなくなるため、洗剤を密着させて浸透させ、やさしくこすって取り除くのが効果的。
また、1-3で説明した石けんカスは、カビを覆うように繁殖するため、カビ取りの効果を半減させてしまいます。カビ取りをする前に、石けんカスを取り除いておくと効率的です。
2)お風呂掃除の洗剤と道具

さまざまな成分が混じったお風呂場の汚れには、汚れの性質に合った洗剤や掃除方法で掃除するのが効果的です。
お風呂掃除の洗剤
汚れは、汚れの性質と反対の性質を持つ洗剤を使うことで落とすことができます。お風呂場に発生する汚れは、主に酸性とアルカリ性のものに分けられるため、アルカリ性の「重曹」もしくは「セスキ炭酸ソーダ」と、酸性の「クエン酸」を用意しましょう。
重曹・セスキ炭酸ソーダはごく弱いアルカリ性ですが、熱を加えることでアルカリ度が高まり、洗浄効果を上げることができます。
重曹沸騰水の作り方
- 水1Lを大きめの鍋で沸かす(※1)
- 重曹の粉大さじ5〜6杯を少しずつ入れる(※2)
- 重曹が溶け残らないようにかき混ぜる
- 火を止め温度が下がるまで時間を置く
- 温度が下がったらスプレーボトルに入れる
※1:アルミ鍋は変色するため使用しないでください。
※2:発泡しますが炭酸ガスなので無害です。
クエン酸水の作り方
- 水400mlにクエン酸小さじ2杯を溶かす
- スプレーボトルに入れてよく混ぜる
お風呂掃除の道具
ブラシやスポンジなど汚れをこすり落とせるものがあれば充分ですが、最近では汚れを落ちやすいさまざまなタイプの掃除道具が市販されています。
- 網目繊維のブラシ
- お風呂のフタ専用ブラシ
- メラミンスポンジ
- 天井用カビ取りブラシ
繊維の表面がジャバラ状になっていて汚れをしっかりかき取れる網目繊維のブラシや、洗剤をつけずに汚れを落とせるメラミンスポンジなどは特に便利です。
お風呂のフタや天井など掃除しにくい箇所には、専用のブラシを用意すると効率的に掃除することができるのでおすすめです。
3)お風呂の掃除方法
ただでさえ面倒で大変なお風呂掃除。重曹沸騰水スプレーとクエン酸スプレーを併用して、酸性・アルカリ性どちらの汚れも一度にサクッと落としましょう!
※※注意1※※
クエン酸と塩素系洗剤を混ぜると有毒ガスが発生し大変危険です。絶対に同時に使用しないでください。
※※注意2※※
クエン酸は無害ですが酸性のため、霧状になったクエン酸水を吸い込むと鼻や喉にピリッとした刺激があります。掃除の際はしっかりと換気をして、マスクを付けるなどなるべく吸い込まないようにすると掃除しやすいです。
3-1)頑固な水垢の掃除方法
クエン酸水パックは、蛇口まわりや鏡などに固まった白い頑固な水垢に効果的です。
- 水垢にクエン酸水をたっぷり吹きかける
- キッチンペーパーを貼り付ける
- さらにクエン酸水を吹きかける
- 乾かないよう食品用ラップでパックする
- 2〜3時間放置する
- ブラシやスポンジでこする
- 水で流す
数時間置いてもとれない水垢は、割り箸など素材を傷つけないもので削り取るか、一晩置くなどの方法も効果的です。
3-2)黒カビの掃除方法
発生して間もない黒カビなら、重曹とクエン酸でも落とすことができます。(※重曹は人工大理石や銅には使用できません)
- 黒カビが生えている箇所の水分を拭き取る
- 黒カビにクエン酸水を吹きかける
- 重曹を粉のままふりかける
- 歯ブラシなど柔らかいブラシで優しくこする
- 黒カビが取れたら水で流す
かなり時間が経ってしまった頑固な黒カビには、塩素系もしくは酸素系の漂白剤が効果的です。

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4)お風呂の掃除頻度
お風呂の掃除頻度は、浴槽は毎日、壁・床・鏡・排水口は週一くらいの頻度が理想的です。掃除用のスポンジとお風呂掃除用の洗剤を1つ用意しておき、お風呂から出る前にササッと掃除する習慣をつけましょう。
熱めのシャワーで壁・床についた泡や髪の毛を流したあと、掃除したい箇所に洗剤をスプレーしてスポンジで軽くこするだけでOK。
泡をすすいだら冷水で浴室全体を流して温度を下げ、可能であれば仕上げに「T字の水切りスクイージー」で壁や床に残った水を排水口に流せばカビが生えにくくなります。
また、1ヶ月〜2ヶ月に一度掃除したほうが良いのが風呂釜(追い焚きの配管)。お湯の濁りや湯垢、臭いなどが発生している場合は早急に洗浄が必要です。
風呂釜の汚れはアトピー性皮膚炎やアレルギー、湿疹が悪化する原因にもなるため、定期的に掃除するようにしましょう。

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5)業者のお風呂クリーニングとは
お風呂クリーニングとは、天井から壁・床・浴槽に加え、エプロン部分や扉・換気扇・蛇口・窓や照明に至るまで、あらゆる箇所を丸ごときれいにするプロのクリーニングのことです。
定期的に掃除をしていても溜まってしまう水垢や黒ずみ、黒カビなどの汚れを、専門の洗剤と道具を使って徹底的に落とします。
※3点ユニットの場合はトイレ・洗面台の簡易清掃も含みます
プロに聞く!お風呂クリーニングのメリット
お風呂は、家庭では落としづらい蓄積した水垢、黒カビなどを除去・洗浄します。徹底洗浄により一度新品のような状態になれば、そのあとのお手入れが簡単に。お風呂をきれいなまま使い続けるためには、1年に一度業者によるクリーニングの実施をおすすめします。
5-1)お風呂クリーニングの料金・所要時間
浴室クリーニング:10,000円〜13,000円 /1箇所
浴槽エプロン内クリーニング付き:13,000円〜15,000円 /1箇所
所要時間目安:3時間 /1箇所
※時間は広さや汚れ具合により変わります
5-2)お風呂クリーニングのよくある質問
- Q事前に準備しておくことは?
- Aシャンプーボトルなどの小物は予め移動させておくとスムーズです。また、設備から異音がする、故障しているなどの不具合によっては作業ができないことがあるため、事前に相談しましょう。
- Qエプロンって自分で掃除した方がいいの?
- Aエプロンは隙間からお湯やホコリなどが入るので、掃除をしないと汚れが溜まりカビが繁殖しやすい場所です。自分で簡単に取り外しができるタイプのものは、内側も外側も定期的に掃除をしましょう。外せないタイプのものや外し方が分からない場合は、無理に外そうとせずに業者に問い合わせてください。
- Q風呂釜のクリーニングもしてくれるの?
- A浴室クリーニングの内容には通常風呂釜のクリーニングは含まれていません。風呂釜洗浄を別途発注する必要があります。
6) 写真で見るプロのお風呂クリーニング
①お願いしたのは「アースクリーン」
今回お願いしたのは、お掃除専門店のアースクリーンさん。予定時刻の5分前にアースクリーン店長の西條さんがいらっしゃいました。ご挨拶がとてもさわやかで好印象!
店舗紹介
お客様第一!少数精鋭で丁寧かつ低価格のサービスを提供するお掃除専門店。高いクリーニング技術と仕上がりに絶対の自信を持つアースクリーンは、すべての現場を徹底的な研修を終えた社員スタッフが対応。手の届かないところのカビや水垢も徹底的にきれいにしてくれます! 詳しい店舗情報・提供サービスを見る
②まずはヒアリング

はじめにお風呂場の状態を確認しながら、汚れが特に気になる箇所のヒアリングを受けます。

我が家の場合は、ドアの隙間のホコリの塊と水垢。ここがどうしても落ちない……!
「毎日きちんと拭いているし、定期的に洗剤を使って洗っているのですが……」と言い訳すると、「確かにこの汚れはなかなか家庭でのお掃除は難しいですよね。でも全体的にきれいなお風呂ですよ!」と救われるような一言。
改めて汚れが気になるところを考えてみると、「排水溝の奥の砂利」「追い炊きボタンの横の黄ばみ」など色々出てきてしまいましたが、一つひとつ丁寧に回答してくれました。
機械的、不愛想……など一般的な業者さんへの勝手なイメージが一気に崩れ、安心してお話しすることができました。

また、上の写真のような老朽化による鏡のサビ(黒い部分)は、クリーニングでは解消できないことも事前に教えてくれます。
10分弱のヒアリングを経て、いよいよクリーニングスタートです。
③洗浄道具準備・パーツ分解
一度玄関口に戻り、道具を一式運び入れます。お風呂クリーニングの場合、基本お一人で対応されるのだそう。

クリーニングに使う道具は、ブルーシートを敷いて、洗面所(お風呂と隣接)に並べられます。
普段お風呂掃除をするとき、部品を外すとしたら排水溝だったのですが、それ以外にも外せるところがたくさん。外せることを知らないので、もちろん10年間掃除をしたことがない場所です。
例えば、浴室水栓がついている部分の真下を外すと……


衝撃的な汚れが……!
きれいなのは、表面だけだったのか……とビックリ。
そして浴槽の回りも解体。見たことのないお風呂の姿、とにかく全体的に汚いです。

そして、今までの汚れが放出されるため、水垢の悪臭がお風呂場に漂ってきました。
④部品・浴室全体の清掃

一通り解体してもらったら、気になっていたドアの隙間のクリーニングに着手です。

こちらも見るに堪えないほどの汚れが出てきます。ゴルフボールより大きな塊の汚れでした。スマホと比べてもこの大きさ。これがドアの隙間に……

天井の換気扇についているフィルターもクリーニングします。簡単に外せることを知らず、こちらも10年の汚れ。

ホコリがこんもりと積もったフィルターにビックリ。

他の部品を洗ったり、洗剤をつけて放置したりしながら、フィルターもしっかり掃除してくれました。

新品に見えるほど輝くフィルターに!
まだまだお掃除は続きます。

丁寧かつスピーディに、浴室内のあらゆる場所を次々ときれいにしていく様子に、プロの技術を感じました。

一見きれいな鏡も水垢がたくさんということで、専用のダイアモンドクロスで丁寧に拭き上げます。

最後はしっかり拭き上げ、解体した部品を一つひとつはめて元に戻してくれます。
かかった時間はおよそ4時間。最初のヒアリングと最後の仕上がり確認以外は、立ち会いも必要ないので、夕食の支度をしている間にお風呂をきれいにしてもらえるのは、いいなと感じました。

外の気温は25度前後でしたが、汗びっしょりになってお掃除していただきました。 最後までさわやかなご対応、ありがとうございました!
⑤お掃除ビフォーアフター
クリーニング後のお風呂場、どれだけきれいになったのか。こちらがビフォーアフターです!

うろこ状に水垢がつき白くなっていた鏡。クリーニング後は水垢がきれいに無くなり、鏡越しとは思えないほどピカピカに写ったお風呂場が……!

手すりやホースもきれいに。

いくらこすっても取れなかったドアの付け根の汚れもしっかり落ちて、新築のころのようです!

浴槽の各パーツもピカピカです。

浴槽の淵についていた汚れもすっきり!

お風呂全体が明るくなったような気がします。 お風呂場がきれいになると気持ちがスッキリしますね!
⑥お手入れのコツ
大掃除というと年末のイメージですが、年末は予約が増えることもあり、夏が過ぎたころ(9~11月)にクリーニングを依頼するのがおすすめなのだそう。自分でお風呂掃除をするときも注意した方がいいことをお聞きすると、「天井をきれいにすること」と西條さん。
どんなに浴槽や床をきれいにしても、天井にカビがあると意味がなくなってしまうというショックな事実が。プロに頼むと、一段ときれいになるだけでなく、正しいお掃除方法や工夫を知ることができるのも嬉しいですね。
毎日使うお風呂。丁寧に洗っているつもりでも、手が届かない箇所や思いがけない汚れがたまってしまうことも。せっかく洗っていても、見えない場所にカビがあるとそれが周りに広がってしまったり、あるいは隠れた水垢がにおいの原因になってしまったり……。
定期的にプロにお願いして、汚れの根源を落としてもらうことが大切だなと感じたお風呂クリーニングでした!
くらしのマーケットの最大の特徴は、料金やサービス内容、口コミなど、業者選びに必要な情報がすべてページ上で確認できること!
「◯◯円〜」といった不明瞭な料金表示はなく、当日の急な追加料金や手数料なども発生しません。各業者のサービスページ閲覧には会員登録も不要なので、作業スタッフの写真や利用者の口コミもしっかり事前確認が可能です。
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