
ご自宅のエアコンは、吹き出し口から黒いポツポツとした汚れが見えていませんか?その汚れ、実は「カビ」なんです。もしかしたら、普段見えないエアコン内部にもカビが生えているかもしれません。
三菱電機のエアコン専門家に聞いた、エアコンにカビが発生するしくみ
なぜエアコンにカビが発生するのか、そのしくみを三菱電機株式会社 静岡製作所の山岡さんにお伺いしました。
霧ヶ峰のPR担当。東京都出身。好きな言葉は「調和」、趣味は料理と野球観戦。霧ヶ峰はハコ推しです。
―山岡さん、下のようにエアコンの吹き出し口から黒いポツポツとした汚れが「カビ」というのは本当ですか?

山岡さん:残念ながら、本当です。
特に冷房運転をしているとき、エアコン内部はカビが生えやすい環境なので注意が必要です。
吹き出し口にカビがあるということは、内部にもカビが生えている可能性があります。
なぜエアコンが冷たい風を出すの?
―そもそも、エアコンはどうやって冷たい空気を出しているのでしょうか?
山岡さん:
エアコンは、室内機と室外機を連動させて、室内の空調を調節しています。

室内機が室内の空気を取り込む
冷房を使用する時は、室内機が室内の温かい空気を取り込みます。
室外機に空気を送る
室内機が取り込んだ温かい空気を室外機に送ります。
室外機の圧縮機で空気を圧縮する
室外機に装備されている圧縮機で取り込んだ空気を圧縮します。
圧縮された空気の熱を取り除く
圧縮した空気の熱を室外機のファンで外に逃がします。室外機のファンから温かい空気が出るのはこのためです。
熱を取り除いた空気を室内機に送る
室外機で熱を取り除いた空気は、室内機に送られます。
熱交換器を通して冷やされる
室内機の内部にある「熱交換器(フィン)」で、空気を冷やします。
室内機が冷やされた空気を室内に送る
室内機の内部にあるファンが、冷やされた空気を室内に送ります。
こういったしくみで室内機から冷たい風が出ます。
―エアコンは「空気の循環」をすることで温度を変化させているのですね。
なぜエアコンの冷房はカビが生えやすい環境なの?
―では本題ですが、なぜ冷房にするとカビが生えやすい環境になるのでしょうか?
山岡さん:
冷房運転時のエアコン内部は、カビが繁殖しやすい「栄養(ほこりなど)・湿度・温度」の3つの条件がそろっているからです。
①栄養(ほこりなど)
先ほど冷房運転の時は、エアコンが室内の空気をエアコンの内部に吸い込むとお話しました。その際、空気とともに室内に浮遊している微細なほこりやカビ菌もエアコン内部に吸い込まれています。
もちろん、そのためにフィルターがあります。ただし、大きなものはブロックできますが、微細なほこり、カビ菌は内部に入り込んでしまうのです。
②湿度
一方、空気を冷やす「熱交換器」は、室温と熱交換器の温度差によって【結露】が発生します。これにより、エアコンの内部の湿度は高くなります。
③温度
夏場の冷房使用時の室温は25~28℃程度であり、この温度はカビにとっては繁殖に適しています。
この3つの要因により、エアコンの風の通り道であるファンや通風路、吹き出し口(フラップ)などにカビが発生してしまうことがあります。
―エアコンは、カビにとって居心地の良い場所なのですね。
特にカビに注意すべきなのはどの部屋?

―全てのエアコンで冷房使用時はカビが生えやすいと言えると思いますが、より気をつけたほうが良い部屋などありますか?
山岡さん:
キッチンに面しているダイニングは、料理で使用する油が空気に入り込み、カビの栄養源になりやすいです。
また、ペットのいるご家庭や、湿度が高い状態にある部屋、エアコンの使用頻度が高い部屋は、カビが生えやすい環境と言えます。
霧ヶ峰はカビ防止機能を搭載

―霧ヶ峰は、何かカビの発生を防ぐ対策はされているのでしょうか?
山岡さん:
霧ヶ峰では「清潔トリプルボディ」でエアコンの清潔性を保つ工夫をしています。
①よごれんボディ
特許を取得している特殊なコーティング(ハイブリッドナノコーティング)を熱交換器やファン、通風路にほどこすことにより、そもそも「汚れにくい仕様」にしています。

②おまかせボディ
冷房運転中は、内部で発生した結露水を使って汚れを外に洗い出します。運転停止後は微量のオゾンを内部に充満させ洗浄を行った後、熱で乾燥させます。

③はずせるボディ
前面パネルはもちろん、フラップ、フィルターを簡単に取り外すことができるので、奥までとことんご自身で拭き掃除ができ、清潔に保つことができます。

他に、電気を帯びたナノレベルの水粒子が空気中の菌などの活動を抑制する「ピュアミスト」という機能もあります。
※搭載している機種:FZシリーズ、FDシリーズ、Zシリーズ、ZDシリーズ、Xシリーズ
ウソ?ホント?エアコンのカビを予防する正しいお手入れ方法

夏になるとSNSなどで、エアコンのカビ対策のお手入れライフハックが話題に上がります。そこで、山岡さんに噂のお手入れ方法が正しいのか、間違っているのか、直接聞いてみました。
ケース1:
エアコンの外側をウェットシート(除菌タイプ)で拭き取った。
山岡さん:◯です。
外側であればウェットシートの使用は問題ありません。ただし、お手入れする際は内部の基盤部品を濡らさないように注意してください。
ケース2:
エアコンの臭いが気になったので、風量を強くした。
山岡さん:これは…△です。
風量を強くしたことにより、吹き出し口付近の結露が乾燥した、または室内の空気が循環し、結果的に臭いを感じにくくなったなどが考えられます。
ただ、根本的な解決のためには、正しく内部クリーン機能を作動させたり、定期的にフィルターの掃除をするなど、エアコン内部を清潔にすることが第一です。
どうしても臭いが消えない場合は、プロによるエアコンクリーニングがおすすめです。
ケース3:
お掃除機能付きエアコンを使用する夏と冬の前に一度、フィルターを掃除している。
山岡さん:◯です。
お掃除機能付きであればその程度の頻度でも問題ございません。
ただ、ダストボックス(お掃除機能でフィルターから取り除いたホコリ、ゴミが溜まっているゴミ箱)がいっぱいになっていると、自動お掃除機能が正しく作動しなくなります。フィルター掃除と一緒にダストボックス内のゴミも取り除きましょう。
お掃除付き機能のないエアコンは、2週間に1回程度のフィルター掃除を推奨します。
ケース4:
エアコン内部をきれいにしたいので、市販のエアコン用洗浄剤(スプレー)を使って掃除をした。
山岡さん:大きく✕です。
そのような洗浄剤をお客様ご自身で使用することは避けていただきたいです。
内部の部品を濡らしてしまうと、予期せぬ故障や事故、最悪の場合火災にもつながりかねません。
ケース5:
エアコンの電源を切ったはずなのに、なかなか運転が停止しないので、もう一度電源を切った。
山岡さん:✕です。
運転停止後の「内部クリーン運転」を切ってしまっています。エアコン内部が乾燥せず、カビの発生につながりかねません。
ケース6:
リモコンに内部クリーンの機能がついていないので、送風運転をした。
山岡さん:◯です。
冷房運転終了後、3時間程度送風運転を実施いただくと、内部を乾燥させることができ、結果的にカビ対策となります。
―エアコンのカビについて、大変勉強になりました。カビ発生を予防するために、内部クリーン運転や送風運転で内部を乾燥させることが大事なのですね。
山岡さん、今日はありがとうございました。

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