
目次
- 1)エアコン移設費用の相場
- 2)どこに頼むのがベスト?事業者別エアコン移設費用相場
- ①引越しに伴うエアコン移設→引越し会社
- ②家の中のエアコン移設→エアコン専門業者
- ③引越しでも家の中でもないエアコン移設→エアコン専門事業者か運送会社
- 3)エアコン移設費用を安くするコツ
- ①標準工事費用をおさえる
- 標準工事の施工内容
- ②追加工事をおさえる
- ③コスパの高い事業者を選ぶ
- 失敗しないエアコン移設の事業者の選び方
- 4)エアコン移設前に確認するポイント
- 今あるエアコンの容量は引越先にあうかどうか
- 室外機を置く場所の有無・標準設置可能か
- 移設先にエアコン用配管穴が空いているか
- エアコン移設で電圧切り替えやコンセント交換が必要か
- 5)エアコンの移設か買い替えか迷ったら

ライター:日野静花
家事歴15年以上。かつては大の掃除嫌いだったが、くらしのマーケットマガジンで記事を書き始めて以来、掃除が楽しくなってきた。
1)エアコン移設費用の相場

エアコンの移設費用は、取り外しと取り付け作業にかかる費用、エアコン取り付けに伴う追加工事費用、エアコンの運搬費用の総額です。
追加工事は、取り外しや取り付けを行う家の状況に応じて発生します。運搬費用は、引越しに伴う移設の際に発生しますが、依頼する事業者によっては運搬も移設費用に含まれていることもあります。
エアコンの移設を依頼できる事業者は、エアコン専門の事業者、運送会社、引越し会社が主流です。事業者の種類ごとに、相場や専門分野(得意な作業)が異なります。エアコンの移設状況に合わせて、どの事業者に依頼するのか検討しましょう。
2)どこに頼むのがベスト?事業者別エアコン移設費用相場
引越しで移設 | 家の中で移設 | その他の移設 | |
---|---|---|---|
依頼先の事業者 | 引越し会社 | エアコン専門業者 | 運送会社 |
取り外し | 1万円〜3万円 | 8,000円〜1万円 | 8,000円〜 |
取り付け | 1万円〜1.7万円 | 1.2万円〜2万円 | |
運搬 | 引越し料金に含む | 2,000円〜6,000円(近距離) | 別料金、要見積もり |
①引越しに伴うエアコン移設→引越し会社
引越しに伴うエアコンの移設の場合は、引越し会社がエアコン移設を取り扱っているか確認しましょう。
大手の引越し会社は、エアコンの移設サービスをオプションとして提供しています。
中小規模の引越し会社では、エアコン移設を受け付けていなくても、エアコン専門事業者を紹介してくれることもあります。
引越し会社がエアコン移設サービスを提供していれば、引越し会社に依頼すると事業者を探す手間が省けるのでおすすめです。
ただし、引越し会社によってエアコン工事に関する連絡は、引越しとは別のエアコン工事担当者と行う場合もあります。
引越し会社に依頼するメリット
- エアコンの運搬費用が引越し料金に含まれている
- 自分でエアコン移設工事の事業者を探す必要がない
引越し会社に依頼するデメリット
- 下請け事業者が作業することが多く、トラブル時に責任者が曖昧
- 公式サイトなどで料金を明記している会社がほぼなく、見積もりが必要
引越し会社がエアコン移設サービスを提供していない場合
引越し会社がエアコン移設サービスを提供していなければ、エアコン専門事業者に依頼するのがおすすめです。
事業者選びで失敗しないために、「失敗しないエアコン移設の事業者の選び方」を確認しましょう。
②家の中のエアコン移設→エアコン専門業者
家の中でエアコンの移設を行うなら、エアコン専門事業者がおすすめです。
引越し会社や運送会社に依頼する場合、実際に作業するのは提携しているエアコン専門事業者であることが多いです。
家の中での移設なら運送する必要がないので、作業をしてくれるエアコン専門事業者に直接依頼をすると、手間や費用の観点からお得です。
エアコン専門事業者に依頼するメリット
- 中間マージンが発生しない
- 事業者同士の情報伝達漏れが発生しづらい
エアコン専門事業者に依頼するデメリット
- 信頼できる事業者を探すのが難しい
エアコン専門事業者に依頼する際は、失敗しないエアコン移設の事業者の選び方を参考に選びましょう。
③引越しでも家の中でもないエアコン移設→エアコン専門事業者か運送会社
中古のエアコンを譲り受ける場合など、引越しでも家の中でもないエアコン移設の場合は、エアコン専門事業者か運送会社に依頼しましょう。
運送会社の中には、「エアコン取り外し・取り付け・運搬」がセットになったエアコン移設パックプランを提供しているところもあります。
エアコン専門事業者は、数千円の追加料金で近距離の運搬を行っていることがあります。
近距離での移設はエアコン専門事業者、遠距離の場合は運送会社に依頼すると費用を抑えられるケースが多いです。
運送会社に依頼するメリット
- 高価な物や重い物の運搬に慣れている
- エアコン移設パックとしてわかりやすい料金を設定している会社もある
運送会社に依頼するデメリット
- 下請け事業者が作業することが多く、トラブル時に責任者が曖昧
- 運搬費用は、見積もりが必要なことが多い
エアコンを自分で運搬する
エアコンを運搬できる車がある場合は、エアコン専門事業者に取り外しと取り付け工事のみ依頼し、運搬を自分で行い費用を抑える方法もあります。ただし、エアコンの室外機は20kg〜40kgと重いうえに、室内機・室外機共に落下や運搬中の衝撃による破損のリスクがありますのでご注意ください。
3)エアコン移設費用を安くするコツ
エアコンの移設費用をおさえるコツは、「取り外し・取り付けの料金(標準工事費用)」をおさえる方法と、「追加工事料金」を抑える方法、コスパの良い事業者を選ぶ方法の3つがあります。
①標準工事費用をおさえる
取り外し・取り付けの料金(標準工事費用)を抑えるためには、事業者別エアコン移設費用相場を参考に、エアコンを移設する理由や目的に合わせて依頼先の事業者を検討しましょう。
標準工事の内容
エアコン移設の標準工事の内容は以下のとおりです。移設の際は、取り付けの施工オプションで取り外しを行っているところもあります。
【エアコン取り付けの標準工事】
- 設置箇所の構造(隠ぺい配管・室外機設置箇所など)の事前確認
- 作業内容の事前説明
- 室内機設置
- 室外機設置
- 配管パイプ・連絡電線・ドレンホースの設置
- 室外機据置台の設置
- 壁の配管穴開け
- 配管類の取り付け(配管類の用意(4m))
- アース接続
- 真空引き作業(エアパージ作業)
- 動作確認
- 作業場所の簡易清掃
【エアコン取り外しの標準工事】
- エアコンの取り外し
- 配管穴のパテ埋め
- 作業場所の簡易清掃
取り外したエアコンの処分は、手数料やリサイクル料金を支払う必要がありますが、事業者が対応してくれる場合があります。確認しましょう。
②追加工事をおさえる
追加工事料金をおさえるためには、追加工事費用を含めた総額で比較することがポイントです。
追加工事が発生しやすいケースを理解し、必要な追加工事と必要ない追加工事を事前に検討しておきましょう。
工事当日に、「追加工事を提案され、内容を理解しないまま必要のない追加工事を依頼してしまった」という事態を防げます。
配管の交換・延長
費用:2,000円〜3,000円(1mあたり)
以前使っていた配管が経年劣化している場合や、移設に伴い配管の延長が必要な時に追加費用が発生します。
室内配管化粧カバー
費用:5,000円〜1.5万円
室内や室外で配管をきれいに隠したい場合に追加料金が発生します。以前使っていたカバーを使い回す場合は、部材費が不要なので安く抑えられることがあります。
壁の配管穴開け
費用:5,000円〜1.5万円
エアコンを取り付ける場所に配管を通す穴がなければ、壁に穴を開ける工事を行います。木造やモルタル壁、ALC壁は、標準工事で対応可能な業者が多いですが、コンクリートやタイルの場合は追加料金が発生することが多いです。
特殊な場所への室外機の設置
費用:10,000円〜2.5万円
室外機をエアコン本体の外壁を挟んだすぐ近くのベランダや庭などに平地置きができない場合に追加料金が発生します。
天井から吊り下げ、壁への取り付け、屋根に設置、二段置きなどが含まれます。
設置器具を使い回す場合は、追加料金が1万円以内で収まることもあります。
専用コンセントの増設
費用:1.2万円〜1.3万円
エアコンは使用電力が非常に大きいため、ブレーカーからコンセントまで分岐されていない専用のコンセントが必要です。
電圧変更工事(100V⇄200V)・コンセント形状変更工事
費用:2,000円前後
エアコンの機種によってプラグの形状、電源の種類(単相100Vか単相200V)電気容量(アンペア)が異なります。取り付ける場所のコンセントが、取り付けるエアコンと合う形状や電源でなければ変更工事が必要です。
エアコン設置工事の費用について詳しいことはエアコン取り付け工事費用の記事に記載していますので、気になる方はあわせてご覧ください。

エアコン取り付け工事費用の相場は?設置費用の総額を安く抑える方法が知りたい!
エアコンの設置費用の相場、標準工事に含まれる内容や、追加料金の発生理由と工事費用を紹介しています。エアコン取り付け工事費用の総額を安く抑える方法も解説しています。
参考:エアコン設置工事|ヨドバシカメラ、エアコン工事料金の目安について|ヤマダ電機、エアコン工事料金目安|ケーズデンキオンラインショップ、エアコン取り付け工事|ビックカメラ、エアコン工事について|ジョーシン
③コスパの高い事業者を選ぶ
技術力と人柄に安心できるコストパーフォーマンスの高い事業者に依頼すると、結果的に費用をおさえることができます。
特に難易度の高いエアコン移設の追加工事は、技術力のある事業者に依頼したいもの。
「室外機はここに設置したい」「家の外壁の色と配管カバーの色をあわせたい」など、要望を細かく伝えておくと、イメージ通りに仕上がります。
失敗しないエアコン移設の事業者の選び方
エアコンを移設する際は、状況に合わせて事業者を選ぶのがおすすめですが、誰に依頼しようか迷っているなら、エアコンの扱いに慣れたエアコン専門の事業者がおすすめです。
信頼できるエアコン専門事業者を探すポイント
- 素人にもわかりやすく、事前に料金や作業内容を説明してくれるか
- 安心して家の中に招き入れられる人柄か
- 作業後にトラブルが発生した際の保証があるか
信頼できる事業者を選ぶポイントは、サイトでサービスの内容や料金を事前にわかりやすく伝える工夫をしているかを確認することです。
利用者が素人であることを理解して、専門用語をできるだけ使わずにわかりやすい言葉で丁寧に説明してくれている事業者は、作業や話し方も親切で丁寧な可能性が高いです。
さまざまな事業者が出店している「くらしのマーケット」は、エアコンの取り付け・取り外しをしてくれる事業者を探すのに便利なポイントが3つあります。
- ①作業料金をサイト上で比較できる
- ②希望日に作業できる事業者に絞り込んで検索できる
- ③利用した人が投稿した口コミが確認できる
また、取り付けだけでなく取り外しも同時に頼めるので、事業者を探す手間も省けます。
口コミ
★★★★★ 5.0
引越しをすることになり、転居先のマンションでエアコンの取付をお願いしました。暮らしのマーケットは初めての利用です。 量販店ではエアコンの取付も含めて販売されておりそちらと悩みましたが、こういったサイトでしっかりと評価を受けている会社にお願いした方が技術力も高いのではと考えて本体を別に購入し、取付をお願いしました。 結果としては大変満足しています。とにかく仕上がりが綺麗で丁寧に取付されています。同じマンションで他のご自宅と比較しても、配管の施工が非常に綺麗です。また、料金も量販店で買うより安く済ませることができました。 また、事前に送った写真からでは分からなかった部分は多少追加料金となりましたが、お金のかからない代替案も選択肢として示して下さいました。 段ボール等梱包材なども全て持って帰って下さいました。エアコンも問題なく稼働しています。 初めての利用にあたり気をつけた点は下記の通りです。 ・エアコン本体や室外機のサイズ、機能等が設置場所に合うかはよく調べて購入する(今回取付箇所は素人目で見ても十分スペースがありましたが、実家で過去にエアコンを買った際、室外機のサイズが合わず機種変更になったことがありました) ・本体は当日着を避ける(もし届かなかった場合に作業ができなくなるため) ・標準作業に何が含まれていて、追加作業は何かよく理解する(調べたら追加作業は量販店場合でも発生するもので必要な作業ということで納得できました。またその価格も量販店より安かったです) 以上、ありがとうございました。
利用時期:2022年3月
4)エアコン移設前に確認するポイント
エアコンを移設する前に、チェックしておくべきポイントがいくつかあります。移設したい場所にエアコンを取り付けられるか、追加工事の有無の判断にもなりますので、ご確認ください。
エアコン移設前に確認するポイント
今あるエアコンの容量は引越先にあうかどうか
エアコンの容量は「6〜8畳用、10畳〜12畳用」などで表されます。
特に家族が増え今よりも広い家に引越す際に気をつけなければならないのが、エアコンの容量が移設先の部屋の広さに合っているかです。
容量不足のエアコンを設置すると、エアコンが効かないだけでなく、電力も消費します。
室外機を置く場所の有無・標準設置可能か
エアコン移設で忘れてはいけないのが、室外機を置く場所の確認です。室外機がおけるスペースがあるかを必ず確認しましょう。
2階のベランダが無い部屋や、ベランダに室外機を置くスペースがない場合は、配管を伸ばす、特殊な場所への室外機設置などの追加工事が発生します。
移設先にエアコン用配管穴が空いているか
エアコンはダクトで外と家の中をつないでいます。エアコンを移設したい場所にダクトを通す配管穴が開いていない場合は、壁に穴をあける工事が必要です。
また、その付近にエアコン専用のコンセントがない場合もコンセント増設の追加工事が必要です。
エアコン移設先で電圧切り替えやコンセント交換が必要か
エアコンを使う際、最低でも10畳用で20A程度が必要です。
エアコンの移設先は、電圧の切り替えやエアコン専用のコンセントへの交換が必要かどうか事前に確認しておきましょう。
エアコンを移設する場所のコンセントのアンペアや電圧が足りない場合は、電圧変更工事(100V⇄200V)や専用コンセントの増設が必要です。
エアコンのアンペア(A)容量の計算方法
エアコン暖房時の最大消費電力(W)÷ 電圧100(V)=アンペア(A)
エアコンの暖房使用時の最大消費電力が2,545Wの場合、「2,545(W)÷ 100(V)= 25.45(A)」となり、最大25.45Aは使用できるアンペアが必要です。
参考:主な電気機器のアンペアの目安|東京電力、エアコンに必要なアンペア容量を知りたいです。|日立の家電品
5)エアコンの移設か買い替えか迷ったら
エアコンの移設には平均で20,000〜30,000円の費用がかかるため、移設するより新しいものに買い替えたほうが良い場合もあります。
エアコンメーカーによると、エアコンの設計上の標準使用期間は10年です。
製造から7〜8年たったエアコンは、移設に費用をかけても、移設後2〜3年で寿命を迎えることになります。
新品のエアコンを購入する場合、6畳用だと取り付け工事込みで5万円台から購入できます。
移設予定のエアコンの使用期間を確認したうえで、移設するか新品エアコンを購入するか検討しましょう。
エアコンを設置する部屋の広さが変わる場合も、新しいエアコンの購入を検討しましょう。
エアコンは、部屋の広さに合った容量の機種を選ばなければなりません。
移設先の部屋の広さがエアコンの容量に合っていないと、エアコンの本来の力が発揮できません。
まとめ
エアコンの移設費用相場はどのくらいですか?
エアコンの移設はエアコンの取り外し・取り付け・運搬の費用がかかります。
標準工事だと2万円〜3万円が相場です。
エアコン移設に伴う追加工事が必要な場合はさらに金額が上がります。
引越しでエアコンを移設するか買い換えるか迷っています。
引越しでエアコンを移設する場合、引越し事業者のオプションサービスを選ぶと手間がかかりません。
ただし、エアコンを7年以上使用している場合は、2〜3万円の移設をしても2〜3年で使用期限になるため、移設せずに買い替えをおすすめします。